「ドゥーム」

  Doom

 (2006/05/08)


  

見る前の予想

 この映画の広告を見たら、どうもゾンビ絡みのB級SFホラーらしい。それだけなら大して食指もそそらないが、ザ・ロックの主演作と聞いてピピッと触覚が動いた。

 ザ・ロック?

 シュワが大味になったあげく政治家に成り下がった今日、僕が期待するのは今この男だけ。アイス・キューブかザ・ロックの出るアクション映画と聞けば、僕は見に行かない訳にいかないのだ。

 だが残念ながら忙しくて時間がつくれない。そのうちロードショーも終わっちゃったと僕は思い込んでいた。すでに見た人の「ソコソコ面白くてソコソコにトホホ」という評価も、僕の期待通りだ(笑)。

 しかも僕にとってハズレなしの「火星映画」とくる。なぜか火星を題材にした映画は、どれもこれも面白いのだ。あぁ、何で見なかったんだろうと悔やんでいたら、まだ銀座の片隅で上映中と言うではないか。これは神の啓示に違いない(笑)! 実は手術のための入院直前残り一日、何か映画を見たいと思っていたのだ。ならばテレンス・マリックの「ニュー・ワールド」って事はないだろう。フランソワ・オゾンの「ぼくを葬る」ではシャレにもなるまい。ここはザ・ロック様主演「ドゥーム」を見なけりゃ、この世に悔いが残っちまうぜ。

 

あらすじ

 2026年、考古学者がネバダ砂漠を発掘中、遺跡からとんでもないものを発見した。それは地球から「火星」に通じる通路だ。「アーク」と呼ばれたその通路についてはさらに研究が進められたが、それがなぜ作られ火星の古代文明がなぜ滅びたのか、誰も納得のいく説明を見つけることが出来なかった。

 ともかく人類は「アーク」から火星に前線基地をつくり、さらに研究を続けていた。

 そして20年後…。

 その火星にあるユニオン宇宙社オルドゥヴァイ研究所で、突然緊急事態が起きた。逃げまどう研究員たちに、何者かが襲いかかる。パニック状態の研究員の一人が、通信機に向かって叫ぶ。

 「例の被検体が脱走した。ただちにここを閉鎖しろ!」

 火星の研究所からの緊急連絡は、アメリカ海兵隊のカリフォルニア特殊作戦本部にただちに伝えられた。その連絡を受け取った精鋭部隊のリーダー=サージ(ザ・ロック)は、これが容易ならざる作戦であるとすぐに気づいた。この緊急事態に、休暇を待つばかりだったサージの部下たち7人もたちまち現場復帰。そのメンバーはサージの片腕リーパー(カール・アーバン)、一癖ある男ポートマン(リチャード・ブレイク)、寡黙なデストロイヤー(デオビア・オパレイ)、ひょうきんなデューク(ラズ・アドティ)、信仰心の厚いゴート(ベン・ダニエルズ)、日系のマック(ヤオ・チン)、そして今回初参加の新人キッド(アル・ウィーバー)。しかしリーダーのサージは、今回ばかりはリーパーの同行を止めた。それにはある「いわく」があったのだが…。

 ともかく出動だ! 一同はヘリに乗り込んでネバダ砂漠へ行き、そこから「アーク」で火星の研究所へ直行する段取りだ。ヘリの出発直前、結局リーパーも隊に同行することになり、総勢8人はネバダ砂漠の「アーク」基地に急行する。

 問題の「アーク」は一種の物質電送装置で、一同は船酔いのような吐き気に悩まされながらも無事一瞬にして火星に到着。火星側での「アーク」基地では、研究所の職員たちが不安そうに一隊を迎えた。彼らも事件の起きた研究棟を閉鎖したため、事態がどうなっているか把握しかねているのだ。

 そんな一同を待ち構えていたのは、「アーク」責任者で車椅子姿のピンキー(デクスター・フレッチャー)と女研究員のサマンサ(ロザムンド・パイク)だ。ところがこのサマンサとリーパーは、何と顔見知りだった。いや…顔見知りどころか、二人は実の姉弟の関係。だがその割には、二人の間には冷たい緊張関係が漂っていた。それと言うのも…二人はかつてこの研究所で事故があって両親が死んだ時、その場に居合わせた過去があるのだ。そして、その時のことでいまだにわだかまりがあった。この日、二人が顔を合わせたのも、実に10年ぶりのことだ。

 ともかく、早速研究棟に行って真相究明。そして生存者の救出だ。またリーダーのサージは、必要によっては全員射殺、すべてを破壊するという命令も帯びていた。

 「アーク」基地にマック一人を残して、機密扉から研究棟に入り込む一同。この任務には彼ら海兵隊員の他に、データ保全のためにサマンサも同行する事になっていた。彼らは真っ暗な研究棟の中を、三方に別れて生存者を捜しに行く。そんな中、何とか無事にめざす研究室に辿り着いたサマンサとリーパー。サマンサはリーパーに、この火星での驚くべき発見を説明した。それは一体の「火星人」のミイラだ。

 鑑定の結果、この「火星人」には人間の23組に対して一組多い24組の染色体があったという。ならばそれは、知力・体力・運動能力・生命力すべてに渡って「超人」であったはずだ。しかも、それは人工的につくられたもののようだ。ならば、なぜ彼らは滅びてしまったのか?

 そんな折り、研究棟で何やらうごめく存在が確認される。やたらすばしこく逃げ回る「それ」は、気が触れたような面もちの血まみれの男だ。しかも何者かの手首を握りしめている。胸のバッジからそれはカーマック博士(ロバート・ラッセル)と確認されたが、極度の恐怖のためか自分の耳を引きちぎるアリサマ。ともかく一同は博士をサマンサの研究室へと運び込む。

 ところが今度は下水道に何かが出現、追っていった隊員のうちゴートが何者かに首を食いちぎられてしまう。慌てて負傷したゴートをサマンサの研究室に運び込むが万事窮す。ゴートは帰らぬ人となってしまった。それより何より、サージには納得できない事があった。先程ゴートを襲ったナゾの存在を仕留めたが、その死体は…どう見ても怪物にしか見えない。しかし火星の大気はいまや生命を維持できるものではない。

 では、この怪物はどこからやって来たのか?

 

火星映画にはハズレなし

 映画が始まるや、本来は地球が出てくるユニバーサル・ロゴがいきなり火星に! 僕はもうそれだけで嬉しくなってしまった。何とシャレてるオープニングではないか。分かってるねぇ。

 そして先に述べたように、火星映画と来れば僕にとってはハズレなし。もう火星が出てくるというだけで嬉しくなる。僕は元々火星が好きなのだ。

 で、実際に作品を挙げてみれば、いかに火星映画がハズレなしかが分かる。

 まず有名な火星映画と言えば、ハリウッドのSF映画の父ジョージ・パル制作の宇宙戦争(1953)が挙げられるだろう。H・G・ウェルズ原作と同じく、火星から打ち上げられた宇宙船によってやって来る侵略者たち。実はスティーブン・スピルバーグのリメイク版「宇宙戦争」(2005)の方が物語は原作に忠実なのだが、さすがに宇宙時代の21世紀にストレートに火星人の襲来は描けない。長く地球の地下で眠っていた設定になっていたが、これも考えようによっては太古火星から地球にやって来たと見るべきかもしれない。

 というのも、このスピルバーグの火星人新解釈には先輩格がいるからだ。それがイギリスのハマー・プロ制作による火星人地球大襲撃(1967)だ。ロンドンの地下鉄工事によって発見された、太古の火星人の宇宙船。しかしすでに死に絶えてしまった火星人たちの怨念が、その後ロンドンで猛威を振るい出す。この作品は、地下に埋まっていた宇宙船のディティールといい、火星人の「意志」だけが生き残り大暴れするという発想といい、SFホラー映画でも飛び抜けた出来映え。すでに滅び去った異星人の「意志」の怪物化…というアイディアは禁断の惑星(1956)あたりがヒントになった可能性大だが、過去の火星人の負の遺産の実体化という発想は、その後の火星映画に色濃く影響を与えている。

 そのバリエーションが、ジョン・カーペンターのゴースト・オブ・マーズ(2001)である事は、言うまでもないだろう。火星の地底深く封印されていた火星人たちの憎悪の感情が解き放たれ、入植していた地球人たちを蝕んで怪物化してしまう。むろん今回の「ドゥーム」もその延長線上の作品だ。

 むろん火星映画にはまだまだバリエーションがある。そのうちの一つが、イヴ・メルキオールによる巨大アメーバの惑星(1960年)だ。人類による初の火星探険とその顛末を描いたこの作品、出てくるイマジネーション豊かなクリーチャーの数々は見ていて思わず楽しくなる。ただし火星人たちは、地球人の訪問を歓迎してはいなかった。

 またヴァル・キルマー主演の近作レッドプラネット(2000)は、地獄のような火星探険をシビアにリアルに描いて見応えがある。目下のところ、もっとも現実味のある火星探険映画かもしれない。

 一方でティム・バートンがふざけまくってつくったオールスター・ドタバタコメディ「マーズ・アタック!」(1996)もあるが、これをマトモに火星映画と括るのは無理があるだろう。ここは、異星人が襲ってくるとしたらまず「火星」というお馴染みイメージの産物と考えるべきだ。

 あとはフィリップ・K・ディックの原作をハリウッド製SFアクション大作の器に思いっきり変換した「トータル・リコール」(1990)。本来は自分の記憶がつくられたものではないかと疑う男のお話なのだが、監督ポール・バーホーベンと主演シュワルツェネッガーの顔合わせではこうしかなりようがない(笑)。ともかく自分の過去探しに主人公が出かけるのが、近未来の火星というわけ。終盤シュワの目玉が飛び出そうになる場面など爆笑シーンも少なくない。

 またハズレなしと言ってはみたものの、無惨な出来映えに終わったブライアン・デパーマ作品「ミッション・トゥ・マーズ」(2000)なんてシロモノもある。だから一概に全部イイとは言えないが、概ね火星映画と言えば出来がいい場合が多いのは間違いない。

 先にも述べたように…何と今回の「ドゥーム」はそんな火星映画の王道をいってるから驚いた。SF映画ファンなら、思わず嬉しくなる出来映えなのがこの作品なのだ。 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは映画を見てから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見た後での感想

 恥ずかしながらゲームにはとんと縁がなく、やったモノといえば15〜6年前のテトリスぐらい(笑)。最近ニンテンドーDSの「脳を鍛える」云々というシロモノをやって、ボケ老人同然の評価が出て愕然となった僕としては、「ドゥーム」なんてゲームがあることを知るわけもない。となると、これは「スーパーマリオ/魔界帝国の女神」(1993)や「トゥームレイダー」(2001)などと同じ系列の映画ということになるわけか。まぁザ・ロックという格闘技系タフガイ主演作という点では ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演「ストリートファイター」(1994)とかと同系列の扱いなんだろうし、ゾンビまがいの化け物を次々撃破していくという点では「バイオハザード」(2001)などと共通しているような気もする。こんな事を言うとゲーム好きが口を尖らせて「違〜う!」とわめき散らすのだろうが、こちとら「ハリー・ポッター」原作ファンやら香港映画原理主義者に配慮しているヒマがないように、ゲーマーどもをいちいち気遣っている余裕はない。ま、たぶんそんなとこだろうと決めつけておく。

 ま、ともかくゲームの映画化とくれば、急速に気持ちが萎えることも事実。だって前述した作品群を見れば分かるとおり、どれもこれもロクなもんじゃないからだ。そんな中での例外はと言えば「トゥームレイダー」と「バイオハザード」の2本だけだが、そのうち「トゥームレイダー」はアンジェリーナ・ジョリーのワンウーマン・ショーとして見応えはあったものの、映画としてはいかがなものか。すると出来が良かったのはわずかに1本、「バイオハザード」のみという事になってしまう。

 ところが今回の「ドゥーム」は生物学的研究をしていた研究所で事故が発生、中にいた職員がゾンビ状態に怪物化して襲いかかってくるという設定が「バイオハザード」と酷似してくる(このへんで再びゲーマーどもが口を尖らせて「違〜う!」とわめき散らすだろうが、一切無視する)。他にもゾンビ映画そのものは巷に叛乱しているし、改めて同じような映画を見せられても鮮度的にどうだろうか?…と正直疑問を感じざるを得ないところ。だから「ドゥーム」の設定や物語そのものには、実はあまり期待出来ないなと思ったわけだ。

 そうなると僕にとっては、「ドゥーム」とはザ・ロックの最新主演作としての位置づけが正しい。

 実は僕は、ゲーム音痴であるのと同じくらい格闘技音痴。まったく興味がない。だからプロレスラーとしてのザ・ロックのことは、その名前を聞いただけだった。そんな彼をスクリーンで初めて見たのがハムナプトラ2/黄金のピラミッド(2001)。スコーピオン・キングなる悪役の古代王を演じて、存在感は十分すぎるほど。途中からクリーチャー化してしまうのが残念だったが、映画俳優としてのすばらしいボリューム感を見せつけた。残念ながらこの映画からスピンオフした初主演作「スコーピオン・キング」(2002)は見損なったが、これも大好評だったようだ。元々プロレスラーというのはどこか役者心を持ってないと出来ないところがあるから、これは打ってつけだったのだろう。僕もアーノルド・シュワルツェネッガーやスティーブン・セガールらマッチョ系タフガイ・スターが次々と脱落していく中、ザ・ロックには大いに期待してしまった

 そう思ったのはハリウッドも同じようで、早速、現代劇アクションの主演作ランダウン/ロッキング・イン・アマゾン(2003)が登場。トボけたユーモアも漂わせて、早くも余裕を感じさせる出来だった。レスラー上がりの保安官というピッタリな役柄を演じた「ウォーキング・トール」(1973)のリメイク「ワイルド・タウン/英雄伝説」(2004)、「ゲット・ショーティ」(1995)続編で脇に回ってコミカルな味を出した「ビー・クール」(2005)は残念ながら見逃したものの、その後のザ・ロックの活躍には大いに期待するものがあった。ならばSFホラー・アクションの本作は、まさにザ・ロックならではの破天荒な魅力を見せられる場になりそうだ。

 そんなわけで見始めた本作、恒例のユニバーサル・ロゴの地球の部分を火星に替えてのオープニングに思わずニンマリ。このシャレっけからしてこの映画なかなかイケそうではないか。こうなると、ザ・ロックだけでなく映画そのものに期待がかかる。

 いきなり太古から地球と火星に通路があった…と来る。問答無用、理屈抜き。これがなかなかいい。そして衝撃的な研究所のパニック。手首飛び散るケレン味たっぷりな滑り出しが嬉しい。さらに海兵隊のムサ苦しくも逞しい男たちと、彼らをまとめる貫禄十分な隊長ザ・ロックのハマりぶりにまたまた嬉しくなる。役者だねぇ。さらにさらに四の五の言わずにいきなり核心に入っていき、後はアクションと見せ場の連続というのがいい。いやぁ、なかなか怖いし面白いではないか。僕はかなりワクワクしてしまった。

 それと言うのも…この映画はジェット・リー主演のロミオ・マスト・ダイ(2000)とブラック・ダイヤモンド(2003)、スティーブン・セガール主演のDENGEKI/電撃(2001)を撮った、アンジェイ・バートコウィアクが監督しているではないか。なるほど面白いわけだ。前述した3作は全く映画史にも残らないだろうし傑作でも何でもない。それどころか、ジェット・リーやセガールの純粋ファンには邪道扱いすらされかねない映画…こういう武闘派スターの場合にはよくあることだが…。しかし、そういう固定観念をとっぱらって見たら、どれもこれも観客を入場料ぶんだけ楽しませてくれることだけは間違いない。まったく気取りなしに面白い映画をつくる男が、このバートコウィアクなのだ。今回もハラハラドキドキ、すごく楽しませてくれる。これは本当に拾いモノだ。

 おまけに僕は見に行くまで気づかなかったのだが、この映画はザ・ロック単体主演の映画ではない「ロード・オブ・ザ・リング」の二作目二つの塔(2002)、三作目王の帰還(2003)で売り出したカール・アーバンがヒーロー役で出ているのだ。彼がまた陰りがあってなかなかいい。さらに「007/ダイ・アナザー・デイ」(2002)や「プライドと偏見」(2005)にも出たロザムンド・パイクなど、今が旬の役者さんも出ている。結構この映画、ザ・ロック以外も充実しているのだ。

 期待してなかったから驚いた。そして興奮もした。ザ・ロックの海兵隊隊長も板に付いてサマになってたし、彼が超特大の銃を構えた姿もキマってる。まったく無駄と贅肉なしに一気に突き進むスピード感といい、この映画は少なくとも前半部分はビックリするほど面白いのだ

 

見た後の付け足し

 ただし正直に言えば…映画そのものの印象は「エイリアン2」(1986)と「ゴースト・オブ・マーズ」「イベント・ホライゾン」(1997)と「バイオハザード」を足して4で割ったような感じで、確かに「すでにどこかで見た」感じがあるのは否めない。そういう意味で斬新さや鮮度を期待されたらツライものがある。逆に言えばこれらの面白い映画のエッセンスを抽出して混ぜたようなものだから、そうそうつまらない訳もないのだが…。

 また、一気に畳みかけるような面白さや怖さが、映画の中盤あたりから徐々に失速していくあたりは残念。結局のところ、前半の「出るぞ出るぞ」と煽りつつ緩急をつけて見せてくれる演出が、後半は化け物じみた奴らが盛大に登場し、それを迎え撃つ側も大暴れという展開になる。そうなると、どうしても細かいサスペンス醸成よりもドッカンバッカンと派手なアクションに持って行かざるを得なくなるのだ。だから映画が急速に大味化していく。ただし途中からザ・ロックが任務に忠実なあまり暴走し、生存者皆殺しにはしるあたりはワクワク。コワモテ・ヒーローとヒールの両方が味わえる、ザ・ロックが一粒で二度オイシイ大活躍だ。

 終盤はカール・アーバンとザ・ロックがそれぞれ「肉体改造」をして肉弾対決に臨むことになるわけだが、このへんになると前半のハラハラドキドキ感はない。そもそもワイヤーまで使った大暴れ場面なのだから、大ざっぱと言えば大ざっぱ。これを前半のサスペンスが雲散霧消して興ざめと見るか、それともザ・ロックの肉体アクションも見れるお得感と見るかで評価は大きく別れるだろう。僕は単純にサービス精神と思って楽しんだ。

 また…今回の映画はゲームの「ドゥーム」に敬意を表してか、ちょっと映画としては新味のある趣向を用意している。それは映画の後半に出てくる「一人称アクション場面」だ。カール・アーバンが「超人」化するや、いきなり映画のスクリーンがゲームの画面になったように一人称…カール・アーバンの「見た目」ショット…に変貌。それからかなりの長い間、一人称映像のアクション場面が続く。これってゲームの興奮を映画に忠実に再現したいと思ってやったのだろうが、これってそもそもこの場面が展開している間はヒーローは誰にもやられないというお約束のようなもの。いつプレイヤーがやられるか分からないゲームとは、見え方が根本的に違う。だからハラハラする訳がない。最初こそちょっと面白かったものの、見ていてすぐに飽きてしまった。これは完全な誤算だったろう。

 というわけで後半はかなり失速もするし見方も割れるであろう「ドゥーム」ではあるが、前半の面白さはかなりなもの。映画全体として見ても、決して見て損な出来映えではない。むしろゲームの映画化としては成功している方ではないか。僕はかなり気に入った。

 

付け足しの付け足し

 この映画はチェコ、ドイツ、イギリス、アメリカ合作作品。撮影もチェコで行われたと言うからビックリ。サウンド・オブ・サンダーに続いてまたしてもチェコである。ハリウッド娯楽大作の生産拠点として、現在、チェコは重要な役割を演じ始めているのだろうか。ちょっと僕は気になり始めている。

 

 

 

 

 

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