「エイリアンVS.プレデター」

  Alien vs. Predator

 (2005/01/03)


  

見る前の予想

 続編、シリーズ化、エピソード1、重要キャラクターのスピンオフ、旧作のリメイク、海外作品のリメイク、コミックの映画化、テレビ・シリーズの映画化…近年のハリウッドの企画を挙げていくと、これらのうちどれかに該当しないものはあるまい。しまいにゃそれでもネタがなくって、「羊たちの沈黙」を「ハンニバル」でシリーズ化したあげくのエピソード1ものが結果的にリメイクになってしまった「レッド・ドラゴン」とか、コミック映画化「バットマン」をシリーズ化したあげくのスピンオフ「キャット・ウーマン」とか…企画の貧困もここに極まったという感じだ。ここに再編集やら未発表映像収録やらのディレクターズ・カットものまで加えれば、いかに新たなアイディアがないかが分かる。何でこんなにネタがないんだハリウッドは。UCLA映画学科の学生とかサンダンスのインディーズの連中とかはどこへ行った。ロジャー・コーマンは今何をやってるのだ。

 しかし…いくらシリーズ化やエピソード1やらリメイクったって、そうそう無制限に出来る訳でもないだろう。さすがにあまりにつくり過ぎれば鮮度が落ちる。

 そこで出てきたのが「VS」ものというわけだ(笑)。

 何でも「そのスジ」の人には、「フレディVSジェイソン」(2003)ってウケが良かったらしい。僕はホラー・ファンでもないし両シリーズ、両キャラクターに思い入れもないので…何となくピンと来なかったんだけどね。実物は面白かったのかもしれないが、ちょっと企画としちゃいかがなものか。

 それって日本の怪獣映画に限りなく近い。

 何しろ日本の怪獣映画は…最初こそ単体のSFホラー映画としてつくられてはいたが、すぐに怪獣のキャラが立ってしまってこの「VS」ものになってしまった。あとは単なる着ぐるみショーだ。僕はSF映画ファンではあるが、いわゆる特撮ファンや怪獣ファンではない。正直言ってアレすなわちSF映画そのものとは思っていない。好きな方には申し訳ないが、どの怪獣が強かろうと知った事ではない。それって覆面レスラーのプロレスの試合と同じで、僕には興味が持てないわけ。

 「ゴジラ」シリーズもシリーズとしてあれだけ続けば「歴史」でもあるだろうが、その過程そのものは単なるマンネリでしかないだろう。しかもシリーズ中、同じモスラだのメカゴジラだのを何度も何度も出している。あれは一体何なのだ? いっそ「ゴジラ対ガメラ」でもやるならもうちょっと何とかなるだろうに…毎度お馴染み、いいかげん相手に飽きがきてるような老夫婦のセックスみたい(笑)。当人同士はそれなりにシッポリ味わいもあるんだろうが、見ているこっちの身にもなってくれ。

 まぁ、去りゆくシリーズに鞭打っても仕方ないんだけど、決してそれってホメられた事じゃなかった。ところが今度はそれをハリウッドが踏襲しようっていうんだからねぇ。ちょっとそりゃあどうかと思うよ。

 そして今回「エイリアンVS.プレデター」

 「エイリアン」は4度もつくって、それも一度「3」でヒロインを殺しながらも「4」で無理無理復活させてのシリーズ続行。毎度新作つくるにはシガニー・ウィーバーがうるさくてネックだが、今さら彼女を下ろしたらシリーズが弱体化したイメージは拭えまい。ただそのウィーバーもいいかげんトウが立って来た…とまぁ、そろそろ「賞味期限」切れが間近い感じのシリーズだった。「プレデター」などはシリーズと言えるのか、2作目で早くもガス欠という「格オチ」のシロモノだ。

 そこでの「VS」もの…というお家の事情は分かった。両者とも20世紀フォックス作品という好都合もあった。でも、それってそっちの事情だろ。

 元々はこの「VS」取組、すでにコミックで実現していたと言う。そして「プレデター2」のラストには、確かに「プレデター勝利の証拠」みたいに…ハンターの家に獲物の首が飾ってあるがごとくエイリアンの頭が飾ってあったりもした。だけどあの段階では、あれは単なる楽屋落ちの冗談のはず。それをマトモに映画にしてどうする。まぁ、普通に考えてロクな映画ではあるまい。

 ところが…監督がポール・W・S・アンダーソンと来た!

 ポール・アンダーソンと言えばもう一人「ブギーナイツ」の監督がいるから、ここはWS・アンダーソンと略させてもらう。ともかくこのWS、僕にとっては「イベント・ホライゾン」(1997)の監督として強烈な印象がある。とにかくSFホラー映画として、あんなにシビレた映画はなかった。これは傑作と呼んではばからない。

 その後もバイオハザード(2002)で確かな腕前を見せたWS。ゲーム映画に傑作なし…という、「名物にうまいものなし」よりも動かしがたいジンクス(笑)を一蹴。やっぱりこの人の映画は面白いわ。だから続編も彼だと聞いて期待した。

 ところがその続編バイオハザードII/アポカリプス(2004)は…何だ、脚本は彼だったけど監督は替わってしまった。つまらなくはないが、やっぱり少々出来が落ちたのは否めなかったね。

 そしてWSが「バイオII」を蹴ってまで取り組んだのが…「AVP」こと「エイリアンVSプレデター」というから頭が痛かった。何でこうなるの?

 だって…どう考えたって大して面白くなさそうな映画になりそうじゃないか。

 エイリアンが勝とうがプレデターが勝とうが、こっちにはどうでもいい事だ。まして宣伝コピーにこう言われちゃ、なおさら盛り上がる訳がない。「どっちが勝っても人類に未来はない」…ならどっちが勝ってもどうでもいいって事じゃないの(笑)?

 キャストも何だかパッとしない奴らばかり。唯一知っているのはランス・ヘンリクセンだけど、これまた地味って言えば地味。第一こいつは「エイリアン2」「3」に出ていた奴ではないか? 何でまたこいつなの?

 あの面白い映画の作り手WS・アンダーソンが、何でまたこんな企画に乗ったのか? それでも彼ほどの才人が乗り出せば、こんなしょーもない企画でも面白くなるのか?

 この映画の興味はその一点に尽きる。

 

あらすじ

 2004年、アメリカの巨大企業ウェイランド社の研究施設に、突然人工衛星からの奇妙な信号が伝えられてきた。南極のある地点から、突然「熱反応」が感知されたと言うのだ。

 それからまもなく、ネパールの氷壁を上っている真っ最中の一人の女性クライマーの元に、このウェイランド社から緊急連絡が入る。彼女サナ・レイサンは環境保護運動家にして冒険家。ウェイランド社は彼女があるプロジェクトに協力してくれれば、巨額の資金提供をすると申し出た。

 またメキシコで遺跡発掘中のラウル・ボヴァとサム・トルートンのもとにも、同じような申し出が寄せられていた。長い発掘調査の末に見つけたのはペプシの王冠一個。さらなる調査には資金も要る…とお手上げ状態だっただけに、ウェイランド社からのこの話に「もっけの幸い」と飛びつくしかない二人。

 早速彼らはウェイランド社がチャーターした巨大砕氷船へと集められる。集められたのは前述の三人だけではない。化学工学者ユエン・ブレムナーや掘削技術者カースティン・ノルガードのチーム。そんな彼らの前に、巨大企業ウェイランド社の総帥ランス・ヘンリクセン社長が姿を現した。

 当然、話の発端は例の人工衛星からの情報へと遡る。

 熱反応の分析により、南極のブーヴェ島の氷の下600メートルに巨大なピラミッドが存在する事が分かった。その形状を集められた情報から3Dに再現すると、アステカ、カンボジア、エジプト…それぞれの古代文明の特徴を兼ね備えた、究極の超古代文明の産物である可能性がある。もちろん、それが作られたのは南極大陸が氷に覆われる以前のことだ。

 今回集められたこのチームは、このピラミッドの調査に当たるために集められたのだ。

 当然サナ・レイサンの仕事は、この雑多な集まりを探検家へと訓練させること…と思いきや、ヘンリクセン社長はそんなに待てないと言う。着いたら即上陸…さもないと一番乗りの「発見者」にはなれない。だが、それはあまりにも無茶だ。レイサンは責任が持てない…と仕事を辞退して帰ろうとする。

 その頃、地球を目指して一機の巨大な飛行物体が接近しつつあった。この飛行物体に乗っていたのは、見るからにどう猛そうな異星人…プレデター。彼らは地球上の「ある地点」に照準を合わせると、強烈な光線を発射した

 さて、最初はこのプロジェクトに乗ることを拒んだレイサンだが、自分以外に適任者がいないのも事実。みすみす一同を見捨てられない彼女は、渋々みんなに同行することに同意した。

 やがて砕氷船はブーヴェ島に到着。問題のピラミッドは、今は打ち捨てられた捕鯨基地の集落の真下にあった。この捕鯨基地ではちょうど100年前の1904年に突如住人全員が消失しており、それで今は誰もいないゴーストタウンとなっていたのだ。そんな過去も気味が悪いが、もっと気持ちが悪いのは氷上に巨大な穴が開いていたこと。地底に向かって正確に30度の角度で、まん丸な穴がまっすぐに掘られていた。衛星によれば、この穴は昨日までなかったはずだ。その穴の行き着く先には、問題のピラミッドが待っていた。

 いざ穴の中へ入って行こうとする時、レイサンはヘンリクセン社長の体調が相当悪い事に気づく。彼女は社長の同行を止めようとするが、彼は何が何でも行くと聞かない。実際、ヘンリクセンはもはや死期が間近だった。だから、今回この地で命を落としても悔いはないと思った。レイサンもそんなヘンリクセンの想いを知るや、同行を止める事が出来なかった。

 ともかく氷のトンネルを降りていく一同。問題の巨大なピラミッドは、予想通り…いや、予想を超えていた。案の定、アステカ、カンボジア、エジプトそれぞれの象形文字が書かれている。書かれているのは次のような文言だ。

 「選ばれし者のみが入ること」

 だがその時、隊員たちは床につくられた「仕掛け」を踏んでいるのに気づかなかった。仕掛けは次の仕掛けを動かし、それはピラミッドの奥深くへと伝わっていった。そこには…巨大な女王エイリアンがいるではないか! 女王エイリアンは囚われの身となって、クサリでつながれて石室に閉じこめられていた。今その女王エイリアンが「仕掛け」によって目覚めさせられ、突然排卵活動を再開させた。産み付けられた卵は、自動的にいずこかへと運ばれて行く…。

 その頃、巨大な宇宙船はいつの間にか南極ブーヴェ島へとやって来た。着陸船が地表へと発射され、プレデターたちは例の捕鯨施設へと侵入。その場にいた隊員たちを次々と惨殺し、氷の穴をピラミッドへと降りていった。

 さて、そうとは知らぬ探検隊一行が、まず入っていったのは「生け贄の間」。そこにはまさしく生け贄の屍が、ミイラ化したまま遺されていた。だが気になるのは、どの生け贄も腹に大きな穴が開いていること。一体どんな事がここで行われていたのか?

 一部の隊員をここに残して、本隊はその下の階層へと降りる。そこには巨大な石棺のようなモノがあり、明らかに年月日を表示したダイヤルが付いていた。

 古代文字を解読したラウル・ボヴァは、このダイヤルを今日の日付に設定する。すると突然、この石棺状のシロモノのフタが開いた。中にあったのは、明らかにピラミッドとは異質の「装置」が三つ。

 これにはさすがに化学工学者のユエン・ブレムナーも、何が何だか分からない。「専門家のくせに」と他の隊員に揶揄されるや、彼は毅然と反論した。

 「古代遺跡からDVDが出てきたら、キミなら何と言う?」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは映画を見てから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ともかく、これは今夜の戦利品だ。この三つの「装置」を持ち帰ろうと取り上げたところ…。

 ゴゴゴゴゴゴ〜〜〜ッ!

 いきなりピラミッドがあちこち動き出した。慌ててその場から四散する隊員たち。出口が塞がり別の出口が現れ、その場にいた隊員たちは何人かのグループでバラバラになってしまった。しかも上の「生け贄の間」では扉が全部閉まって、残された隊員たちが出られなくなってしまう。

 そんな彼らの目の前に、奇妙な物体がせり出してくる。

 それは…エイリアンの卵だ。しかもゆっくり先端が開き始まっている。中では何かがピクピク動いている。さすがに隊員たちも、今さらながらに「生け贄の間」という名前を気味悪く思い始めたちょうどその時…。

 ピュ〜〜〜〜〜ッ!

 卵からエイリアンの幼虫が飛び出すではないか! 慌てふためく隊員たちに、情け容赦なく襲いかかる気持ちの悪い幼虫たち!

 一方、下の階層でバラバラに閉じこめられた隊員たちも、一人また一人と奇妙な生き物に襲われ始めた。何がどうなっているのか、まったく分からない隊員たち。ところがそんな彼らに、また別の生き物が襲いかかってくる。

 プレデターだ!

 いきなりプレデターに襲われて大パニックの隊員たちだが、とてもじゃないが歯が立つ相手ではない。ところがそこに、今度はエイリアンが乱入だ。するとプレデターは人間など眼中にないかのように、エイリアンと死闘を演じ始める。強靱なプレデターも、さすがにエイリアンには苦戦を強いられているようだ。

 突然、再びピラミッドが動き出して何とか難を逃れる隊員たち。どうもこのピラミッドは10分に一度動き出す仕掛けになっているようだ。これは何かのワナなのか?

 そのうちたまたまエイリアンを倒したプレデターの姿を目撃したレイサンとボヴァは、こいつの様子から驚くべき事に気づく。

 これは「狩り」だ。

 プレデターは、明らかにエイリアン「狩り」をするためにここにいる。さらに壁の象形文字を読破したボヴァは、ようやく事情が飲み込めて来た。

 プレデターは太古の地球にやって来て、人類に神として君臨した。人類に文明のカケラを伝授する代わりに、ここにエイリアンを連れてきて地球を「狩り場」とした。人類は「獲物」エイリアンを繁殖させ惹きつけるための「エサ」だ。そして100年に一度、地球を舞台にハンティングが行われる。もしエイリアンが手に負えなくなっても、巨大な破壊力で焦土としてしまえばよい。こうして古代文明が一夜にして消失するような事件も起こった…。

 だが、見るからにプレデターは苦戦しているようだ。このままではエイリアンが勝利してしまう。もしそうなったら、それは人類の終わりだ。エイリアンをこのピラミッドから出してはいけない。それにしても、なぜプレデターは苦戦しているのか?

 それは…自分たちがプレデターの「武器」…例のあの「装置」を持って行ってしまったからか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは絶対に映画の後で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

見た後での感想

 見る前は面白くなさそうだとか企画の貧困だとか、とにかくイヤな予感ばっかりして全然見る気にならない映画だったが…。

 恥ずかしい話なんだけど、これってやっぱり面白かった(笑)

 何から言えばいいんだろうね。やっぱりWS・アンダーソン監督さすがだ…と言うべきなんだろうか。エイリアンとプレデターそれぞれのウンチクは僕が語る事ではないので割愛するが、設定が実に理に適っている。無理がない。だから気持ちよく物語に引き込まれてしまうんだよね。

 そしてパッとしないキャストも…だからこそみんな同じくいつ殺されてもおかしくない。絶対安全に見える奴がいない。サスペンスもいやが上にも高まるというわけだ。

 しかも、なるほどヘンリクセンを起用したのは確かに意味があるんだろう。劇中クドクド説明はせずとも、何となくその繋がりが想像できるよ。このクドクド説明しないし、しなくても分かるという点は見事だね。脚本も手がけたWS・アンダーソン、やっぱりさすがだよ。

 そして僕が一番感心したのは…この映画って僕が大好きな「発掘映画」のスタイルをとっているんだよね。

 これってエクソシスト・ビギニング(2004)感想文の時にも述べた事だけど、僕はこの「発掘映画」というジャンルが好き。そもそも実際の考古学の発掘話からして大好きなので、SFやホラーにこうした趣向が出てくると、もうそれだけでたまらない。

 好きだからまたまた繰り返して書いちゃうけど、実際この手の作品には佳作・傑作も多いのだ。ロンドンの地下鉄工事現場から、太古に墜落した火星人の宇宙船が出てくる英国ハマー・プロの傑作SF火星人地球大襲来(1967)なんかその典型。最近じゃイギリスの田舎で奇妙な教会の遺跡が発掘される、クリスティーナ・リッチ主演のギャザリング(2002)とか、先に挙げた「エクソシスト・ビギニング」もそう。少なくとも遺跡発掘のくだりはサエていた。

 逆に「発掘」が出てきても、一向に気分が盛り上がらない場合もある。インディ・ジョーンズもの第一作「レイダース/失われたアーク」(1981)、第三作「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」(1989)は活劇としては面白いが、ヒーローの活躍にスポット当てすぎで、僕が偏愛しているいわゆる「発掘もの」としてはモノ足らない(笑)。アントニオ・バンデラスの抹殺者(2000)はエルサレムでキリストらしき遺体が発見される…という実に興味津々な設定なのに、「発掘」話はそれ以上盛り上がらずにバンデラス扮する神父がやたら悶々としているだけのつまらない展開に終始してしまう。

 それと比べると、この「AVP」はかなり「発掘」気分を満足させてくれるよ。

 ナゾまたナゾの展開がいい。ピラミッドのセットの造形がまたいい。とにかく遺跡の中に場違いなモノを発見した、学者の台詞がいいではないか。

 「古代遺跡からDVDが出てきたら、キミなら何と言う?」

 これだよ! 僕が「発掘映画」に求めているのはコレ(笑)! 到底出てくるはずのないモノが出てくるという奇想天外さ。こういう場違いな出土品って、いわゆる「オーパーツ」って言われているんだけど、それに出くわした時のワクワクするような驚きを味わいたい。この映画は、僕にそんな子供みたいな気分を味あわせてくれた。それだけで十分。

 そしてエイリアンとプレデターの太古の昔からの因縁話で、今あちこちで言われている「超古代文明」話とかアトランティス滅亡の話とか…そんなのも一気に説明づけちゃう欲張りさ加減(笑)。ちょっと前にベストセラーになった「神々の指紋」って本なんかが好きだった人なら、この映画の前半部分はドキドキものだ。

 実はエイリアンとプレデターの戦いが始まると…それはそれで面白くはあるが、映画は一気に大味化してしまう(笑)。結局、やっぱり「VS」ものは「VS」ものだからね。最後は馬鹿力勝負みたいになっちゃうからね。

 それでも前半部分のワクワク気分はなかなかだ。それだけ見せてくれただけでも、僕はこの映画を見る価値があったね。

 

見た後の付け足し

 後半のエイリアンとプレデターの戦いは、妙な人間とプレデターの「連帯」へと発展していくからオカシイ。「敵」の「敵」は「味方」という論理で、ヒロインもプレデターを助けるし、プレデターもヒロインを一目置いていく。まぁ考えてみるとマヌケな展開で、実は少々笑っちゃうんだよね。

 だから映画自体も、前半部分のタイトなサスペンスを維持できないのかもしれない。ナゾやスリルで盛り上げるんじゃなくて、肉弾戦みたいな戦いが中心になった上にこの笑っちゃう設定だ。どうしたってユルくなるのは仕方ないだろう。

 だがバカバカしいとは思いつつも…後味は悪くない

 うまく言えないのだが、このエンディングをキライにはなれない。最後に仲間となったプレデターを看取ったヒロインは、プレデターの長老みたいな者から認められて、何やらご褒美までもらってしまう(笑)。バカバカしいのは確かだが、それが決して悪い印象にはならないんだよね。

 むしろ…アメリカ映画らしいハッピーエンドの良さを感じる。

 何だか「Mr.インクレディブル」みたいな、アメリカ映画らしい晴れがましい幕切れを思わせるんだよね(笑)。バカバカしいはずなのに、決して作品の傷には思えないのだ。

 考えてみれば、何となく世の中殺伐としてる。みんなトゲトゲしくなってるし、疑心暗鬼になるしかない。同胞だって当てにならない。

 そんな中…まこと危うい限りではあるが、プレデターとのつかの間の連帯ですら、一服の清涼剤みたいに見えたのではないか。

 この際、プレデターでもいいから友達でいて欲しい。それって意外に切実な、今のアメリカ人の気持ちかもしれないんだよね。 

 

 

 

 

 

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