「マトリックス・レボリューションズ」

  The Matrix Revolutions

 その1

 (2003/11/17)


 

ビートルズの最新作CD「レット・イット・ビー…ネイキッド」収録の「ロング・アンド・ワインディング・ロード」を聞きながらお読みください。

 

 

ビートルズ、そして武蔵丸に見る「風向き」

 僕が今この文章を書きながら聞いているのは、ビートルズの最新作(!)「レット・イット・ビー…ネイキッド」のCDだ。21世紀になってビートルズの新作を聞けるとは夢にも思ってなかったが、当然これは本来の意味での新作ではない。これは1970年に発表されたビートルズ最後のオリジナル・アルバム「レット・イット・ビー」のリニューアル版だ。

 この作品の経緯を説明すると長くなるので大幅にはしょると、元々の「レット・イット・ビー」はビートルズ末期の諍いと混乱の最中でドサクサ紛れに発表されてしまったアルバムなんだよね。本来ならばこのアルバムは、ちょっと前に流行った「MTVアンプラグド」のスタイルの先取りで、アコースティック風サウンドの一発録りライブ作品になる予定だった。それが不幸な成り行きで、ポップス界で最も音をいじくるプロデューサー、フィル・スペクターの手によって加工されて発表されてしまった。で、今回初めてスペクターによるオーケストラやらコーラス隊やらエコー処理やらといったオーバー・ダビング部分をデジタル処理で取り除き、原型に近い状態で発売されたと言うわけだ。

 こうやって剥き出しになった音を聞いてみると、そのパワフルさに驚かされる。後期ビートルズってこんなに熱かったのかと目からウロコの思いがするよ。そして僕がこの時期のビートルズに対して持っていた印象も新たになった。この時期のビートルズは最悪の関係になっていて、諍いが絶えずスタジオは冷え切っていた…そんな話しか聞いてないのだ。だが、このアルバムのサウンドからは、そんなドッチラケな雰囲気は聞き取れない。今回の「ネイキッド」のボーナスCDに収録された当時の会話にしても、そんな激しい不仲を伺わせるものではない。このアルバムを聴いて、僕は複雑な思いがしちゃったんだよね。

 そりゃ確かに険悪な時もあったろう。バンドを何年もやってりゃ煮詰まりもするだろう。だけどそれだからって、急速に過度に険悪になったとも思えない。それってちょっとした風向きの変化によって、ある時から彼ら自身というより、彼らの周囲からよくない雰囲気が漂い出しちゃったんじゃないか。そして一度ケチが付き出したら止まらなくなり、本当のメンバー同士の関係までおかしくなっていったんじゃないだろうか? だとすると、さすがのビートルズでさえも、そんな風向きの変化には勝てなかったという事になるんだろうね。

 そういや横綱・武蔵丸が引退を発表した

 何だか傷だらけで満身創痍を押して相撲とってたとかで、確かに見ていても痛々しかったよ。ともかくここまでやっての引退に、お疲れさまとつくづく言いたい。本人も今場所はかなりの背水の陣を敷いていたようで、巷では早くから引退をささやかれてもいた。そりゃいくら何でも気の毒だと思うんだけど、一旦そういう空気が漂いだすと、なかなか止めるのは難しいよ。特に今場所の彼の負けた取組を見ていたら、正直言って僕はそういう気分になったね。

 横綱が負けたのに、座布団一枚飛ばない

 それどころか、武蔵丸が土俵を後にする時に、お客さんから声が飛んだんだよね。それも「頑張れよ」といういたわりと励ましの声援なわけ。それは確かにファンの暖かい声援だと思うよ。だけど勝負師がいたわられるようになっちゃ、少々寂しい気がしないかい? 横綱が負けて座布団も飛ばないってだけで、僕も何だか彼が峠を越えちゃった気がしてたんだよね。

 でも、そうは言っても彼がいなくなるのはちょっと寂しい。まぁ、元々あまり相撲は見ない僕だ。そこのところへ、最近では気に入らない奴はドツき倒す、人のクルマのバックミラーはぶっ壊すと、まるで人間としての常識がなってない相撲取りが横行して、ますます見る気が失せていた。ここへ来ての武蔵丸の引退は、僕の相撲離れを一層加速させることは間違いないだろう。それでもこれは彼の相撲人生だ。そう思えば、「よかったな」と気持ちよく送り出してあげたい気がする。

 始まりのあるものには、すべて終わりがあるんだからね。

 

風雲急を告げるザイオンと「救世主」ネオの運命は?

 前作の最後でネブカドネザル号を失ったネオことキアヌ・リーブス、モーフィアスことローレンス・フィッシュバーン、トリニティことキャリー=アン・モスらは、地下世界を逃げまどっているうちに、別の船に助けられる。実はこの際にネオ=キアヌは思いもかけぬ力を発揮した。襲いかかるロボット・イカたちを気合いで粉砕したのだ。ただこれで精神力を使いすぎたのか、ガックリ意識を失うネオ=キアヌ。

 実はこのネオ=キアヌたちを助けた船は、人間の都・ザイオンの総攻撃中のロボット・イカたちを迎え撃つ命を受けていた。しかし彼らが駆けつけた時には人間軍は惨敗。ただ一人生き残ったのはイアン・ブリスなる男。しかしこの男、実はエージェント・スミスに体を乗っ取られたチンケ男その人であった。そのチンケ男ことブリスは、今この船の医務室でネオ=キアヌと共に意識を失って横たわっている。

 あれだけの激烈な戦闘を、どうしてたった一人生き残ったのか? この船の船長以下はブリスに疑いの眼差しを投げかけざるを得ない。

 さらにこの船に、無事生還出来たナイオビことジャダ・ピンケット・スミス率いるロゴス号が合流する。

 さてネオ=キアヌはいつまで経っても意識を失ったまま。しかしその脳波は、まるでマトリックス内にいるかのような波線を描いていた。彼は一体どうなっているのか?

 実はネオ=キアヌは、意識下で妙ちきりんな地下鉄駅のような無人駅に倒れていた。気づいてみるとそこには一人のインド人の女の子タンビーア・アトウォルがいる。そしてその両親も…。

 聞けばここはマトリックスと機械世界の中間にある世界とか。女の子アトウォルの両親は、自らを犠牲にして彼女をここから助け出そうとしているのだと言う。

 その頃、モーフィアス=フィッシュバーンとトリニティ=モスは予言者の呼び出しでマトリックスに潜入していた。彼らは予言者…又の名をオラクルとそのボディーガードのコリン・チャウと合流する。何と予言者・オラクルはメアリー・アリスに姿を変えていた。それはネオ=キアヌを守るための代償だったと言うのだが…。

 ともかくネオ=キアヌは、今、地下鉄駅みたいな中間地点に閉じこめられている。このままではそこから出られない。そしてこの世界を支配するトレインマンという男の親玉は、前作でネオ=キアヌたちに敵意を燃やしたメロビンジアン=ランバート・ウィルソンだ。奴の手に落ちたらネオ=キアヌが危ない。モーフィアス=フィッシュバーンとトリニティ=モスは、コリン・チャウと共にトレインマンを探しに行く。すると、いたいた。マトリックスと機械世界を結ぶ地下鉄の中に、トレインマンこと浮浪者みたいなブルース・スペンスがいた。だがトレインマン=スペンスは、3人に気づくとすばしっこく逃げる。結局トレインマンを取り逃がしてしまうハメになってしまった。万事窮すか。

 「仕方ない、かくなる上はメロビンジアン=ウィルソンと直談判だ」

 その頃、ネオ=キアヌがいる駅に地下鉄が走り込んでくる。女の子アトウォルと両親と共に、地下鉄に乗り込もうとしたネオ=キアヌ。だが、そこにトレインマン=スペンスが立ちはだかった。「オマエは出せない」

 かくなる上は力づくでもと飛びかかるが、トレインマン=スペンスは意外にも強い。ネオ=キアヌを手もなくねじ伏せたトレインマン=スペンスは大見得切って言い放った。「ここはオレの世界だ! オレを倒せなきゃ出られないぜ」

 その頃、モーフィアス=フィッシュバーンとトリニティ=モス、コリン・チャウは、いきなり荒っぽいなぐり込みでメロビンジアン=ウィルソンのいるクラブに乱入。交渉の末、メロビンジアン=ウィルソンはネオ=キアヌを返してもいい…と言い出す。しかしその代償は…。

 「予言者・オラクル=アリスの目玉だ!」

 そんな毒饅頭が食えるか! たちまち始まる大立ち回り。お互い銃を構えて四すくみの状態となった。自らも銃で狙われながら、メロビンジアン=ウィルソンに銃を突きつけるトリニティー=モスは言い放った。「取り引きをする? それともここでみんな全滅する?」

 マジだと見てとったメロビンジアン=ウィルソンは、たまらずここは取り引きに乗った。

 かくしてモーフィアス=フィッシュバーンとトリニティ=モス、コリン・チャウは、無事地下鉄駅からネオ=キアヌを救出する。だがネオ=キアヌには仕事が残っていた。予言者に会わなくては…。

 予言者アリスの家には、あのインド人の女の子アトウォルも身を寄せていた。あれこれ禅問答もどきの訳の分からぬ会話が行われた末、ネオ=キアヌに伝えられたのは奇妙なメッセージだ。「始まりのあるものには、すべて終わりがある」

 さて、ようやく現実世界に戻れたネオ=キアヌは、しばらく考えさせてくれ…と籠もってしまった。すでに例のチンケ男ブリスも意識を取り戻していたが、言うことは何とも要領を得ない。

 ところがその頃、マトリックス世界の予言者の元に、あのエージェント・スミス=ヒューゴ・ウィービングの軍団が押し寄せていた。そして予言者アリスに不敵な表情で迫る。予言者の覚悟は決まっていた。

 スミス=ウィービングが例によって予言者の体に手を突っ込んだ。するとどうだ…予言者の姿はみるみる変化して…まるでダイエーの小久保が、近鉄のローズが、読売ユニフォームに次々替えられていくかのように…予言者もまたスミス=ウィービングの姿に変身してしまうではないか。もはやこのスミスと読売ジャイアンツの恐るべき勢力拡大は歯止めが効かないのか。

 一方、ここは地下に潜伏したモーフィアス=フィッシュバーンたちの乗る船。ともかくザイオンを防衛しなくては…モーフィアス=フィッシュバーンやナイオビ=ピンケット・スミスたちは、二隻でどうやってザイオン防衛に駆けつけるか協議を始めた。幸いザイオンまで伸びるダクトがある。そこを潜って先回りし、すべてのマシンの機能をマヒさせる究極兵器を使おう…。

 狭いダクトなど船が通るのは無理だと思われたが、ロゴス号船長ナイオビ=ピンケット・スミスは自分なら出来ると豪語する。そんな打ち合わせの席に、ネオ=キアヌがいきなりやって来た。それも事もあろうに、船を一隻貸せと言ってきたのだ。「オレはマシン・シティーへ行く」

 冗談じゃない…モーフィアス=フィッシュバーンやナイオビ=ピンケット・スミスを助けた船の船長は、ネオ=キアヌの頼みを一刀両断に切り捨てた。それはあたかも小久保の巨人入りを聞かされたダイエー王監督のような心境だったかもしれない。せっかく日本一になったのに、ここで四番を出せるか。しかもあの憎っくき読売になんて…じゃなかった(笑)。それでなくても戦力が要る時に、船など貸せるか。しかもマシン・シティーに行くなんて。機械たちの総本山マシン・シティーになど、たどり着ける訳がないではないか。

 だがこれを聞いたナイオビ=ピンケット・スミスは、自分のロゴス号を貸すと言いだす。そして彼女たちを助けたこの船を操縦して、ダクトを通ってザイオンまで行くと言い張った。これを聞いたモーフィアス=フィッシュバーンは、思わずナイオビ=ピンケット・スミスに尋ねずにはいられない。「救世主を信じないんじゃなかったのか?」

 彼女の答えは淀みがなかった。「救世主を信じはしない。私はネオ=キアヌを信じるの

 かくして一隊はここで二手に分かれる事になった。ダイエー選手会は優勝旅行に行かなくても、彼らは行かなきゃならないところがある。ロゴス号に乗ってマシン・シティーを目指すネオ=キアヌ。彼にはトリニティー=モスが付き添った。そしてもう一隻の船でダクトを通りザイオンを目指すモーフィアス=フィッシュバーン、ナイオビ=ピンケット・スミスたち…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは映画を見てから

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、マシン・シティーを目指すネオ=キアヌたちだが、ここにとんでもない強敵が立ちはだかった。何とチンケ男ブリスがいつの間にかロゴス号に忍び込んでいたのだ。いきなりトリニティーに襲いかかると、ブリスはその本性を現した。

 エージェント・スミスだ!

 まさか、現実世界には出て来れないはずだ…。驚愕するネオ=キアヌに、エージェント・スミスはブリスの顔で答える。「私の行けない所はない、巨人に取れない他球団の選手はいない、ミスター・アンダーソン」

 かくしてロゴス号の船内で激しい死闘。そのあげく、ネオ=キアヌは両目の視力を失ってしまう。もはやこれまでと思われたその時…。

 ネオ=キアヌはそれまでにも増して強さを増した。両目はつぶされても、彼には心眼が働いていたのだ。予想外の事に困惑するエージェント・スミス=ブリスは、ネオ=キアヌの容赦ない攻撃に息絶えた。

 さぁ、後はマシン・シティーを目指すのみ。

 一方、モーフィアス=フィッシュバーン、ナイオビ=ピンケット・スミスたちは、ダクト内でロボット・イカたちに気づかれてしまった。襲いかかってくる無数のロボット・イカを振り切らんとばかり、ダクト内を全速力で突っ走る。

 「フンッ、イカくさい奴らねっ!」

 「ナイオビ、おまえも相変わらず好きだな」

 危機を共にするうちにモーフィアス=フィッシュバーンとナイオビ=ピンケット・スミスの間に、昔ながらの暖かくもイカ臭〜い感情が戻ってくるが、それはまた別の話だ。

 さてその頃ザイオンでは、迫り来るロボット・イカの脅威に保守新党みたいに悲壮感が漂っていた。そんな中、パシリのパシ夫ことクレイトン・ワトソンも、ただ手をこまねいて見ている訳にいかない。「僕も戦わせてくださいっ!」

 そんなパシ夫を見て、戦闘隊のリーダー・ミフネことナサニエル・リーズは言い放った。「よし、ならばピリッとしろ! フヤけた事やりやがったらロボット・イカもこのオレも容赦しないからな!」

 こうしてミフネ=リーズたちは戦闘マシンに乗り込み、今にもザイオンに攻め込もうというロボット・イカ軍団を待ち受けた。ザイオンの表玄関=ドックの天井が小刻みに揺れている。やがてその一角からポロポロと破片がはげ落ちると、巨大ドリルが姿を見せた。そして穴を貫いた巨大ドリルは、そのまま一直線にドックの底に突っ込んでいく。

 ド〜〜〜〜ン!

 そしてポッカリ開いた穴から…ロボット・イカの大群が大挙して押しかけて来た。「撃て撃て撃て撃て〜、くたばるまで一匹でも多く撃ち落とせ〜っ!」

 たちまち始まる激しい戦闘。だが撃っても撃ってもロボット・イカの勢いは止まらない。どんどん劣勢になっていく人間軍だった。

 その頃、ネオ=キアヌとトリニティー=モスの船はマシン・シティーにまっしぐら。途中迎え撃つ軍勢に手こずりながら、船は一気にマシン・シティーの心臓部に突っ込んでいった。

 ドカ〜〜〜〜ン!

 何とかマシン・シティーに到達した船。しかし肝心要のこの時に、トリニティー=モスの命運は尽きた。船の衝突時に重傷を負って、彼女はついに息絶えた。悲嘆に暮れるネオ=キアヌだったが…。

 一方、ますますロボット・イカたちに追い詰められていくザイオン・ドックの人間軍。そんな時、ザイオンに向かう一隻の船の姿がレーダーに浮かんだ。それはロボット・イカの追撃を振り切りつつ突進するモーフィアス=フィッシュバーンとナイオビ=ピンケット・スミスの乗り込む船だ。この船なら、例の究極兵器を積んでいる。ここはドックを放棄しても、ロボット・イカたちの攻撃をくい止めるべきではないか? ここでハリー・レノックス司令官は決断を下した。ダクトの扉を開けて、モーフィアス=フィッシュバーンとナイオビ=ピンケット・スミスの船をドック内に迎え入れろ!

 だがミフネ=リーズがダクトの扉を開けようにも、ロボット・イカの攻撃が激しくて動けない

 「うわ〜!」

 雲霞のごときロボット・イカの突進をくらって、ミフネ=リーズは瀕死の状態で戦闘マシーンに乗ったまま倒れる。そこに駆けつけたのはパシ夫=ワトソンだ。

 「タテジマのユニフォームもこれが見納めだ。岡田、後は頼んだゾ」と、男・星野になりきったミフネ=リーズは、阪神タイガースの命運を岡田ことパシ夫=ワトソンに託した。こうなったらやるっきゃない。慣れぬ監督業も何のその、藤山寛美に激似と言われても知ったことか。戦闘マシーンを何とか操り、見事ダクトの扉を開けた岡田ことパシ夫=ワトソン。かくして扉に激突するところを間一髪、何とかドックに滑り込んできたモーフィアス=フィッシュバーンとナイオビ=ピンケット・スミスの船。

 「ええい、ままよ」

 究極兵器を作動させ、ロボット・イカを一瞬のうちにのしイカにする事に成功した!

 だが、それは同時にドックを無力化した事を意味した。レノックス司令官は自分が決断したことも棚に上げ、丸投げしといたくせに究極兵器を使用した事でモーフィアス=フィッシュバーンとナイオビ=ピンケット・スミスをなじる。丸投げは有権者に見透かされる。男らしくないセコい言動は女に嫌われる。小泉は安倍とイケメン・ツートップを気取ったが、今度の選挙でジリ貧になった。あっちこっちの党をテメエの都合で渡り歩いた熊谷は、保守新党の党首なのに選挙で落ちた。暴力団とオトモダチのくせに、チョンマゲ切っただけで済ませた松浪健四郎も選挙で落ちた。山拓だって女に汚いのがバレて選挙で落ちた。これで決定的に、ナイオビ=ピンケット・スミスの心がモーフィアス=フィッシュバーンに戻った事は言うまでもない。

 だが、ホッとしたのもつかの間。ロボット・イカの猛攻は続く。さらに地下深く追い詰められていくザイオンの人間たち。もはや後がないところまで追い詰められて、もはや神頼みしかないところへ来た。

 頼れるのはネオ=キアヌだけ!

 その頃ネオ=キアヌは、マシン・シティーの心臓部にいた。彼の目の前に、巨大なウニの化け物のような物体が出現する。それは機械の親玉「デウス・エクス・マキナ」だ。

 「ここまで来るとはいい度胸だな」

 だがネオ=キアヌはまったくひるまなかった。「殺したければ殺せばいい。だがオマエにも困った事があるだろうが?

 エージェント・スミスことヒューゴ・ウィービングのパワーが、まるで全球団のスター選手を横取りし続ける読売ジャイアンツのように、もはや機械たちにも手に負えなくないところまで拡大していたのだ。このまま奴の増長を手をこまねいて見ていると、せっかく今年の阪神躍進で盛り返したプロ野球人気がまた下火になりかねない…。さすが阪神ファンのネオ=キアヌは、話を自分の土俵に引き込んで持ちかけた。さらにここで「土俵」という言葉が出たのをいいことに、ネオ=キアヌは殺し文句を畳みかける。「オレをあいつとK-1で戦わせてくれ、体がボロボロになるまで戦いたい!」

 「オマエは曙か?」と呆れて「デウス・エクス・マキナ」は答えたが、元よりこれは機械の側にも悪くない話だ。早速ネオ=キアヌこと曙をK-1ならぬ雨のマトリックスの大都会に送り込んだ。

 そこではボブ・サップならぬ読売ジャイアンツならぬエージェント・スミス=ヒューゴ・ウィービングの軍団が、ネオ=キアヌを待ちかまえていた。もう書いている僕も何が何だか分からなくなってきたが、ここは三部作完結編だからもはや何がどうなっても構うまい。

 「ミスター・アンダーソン、ハウ・アー・ユー。ファイン・サンキュー、アンド・ユー?」

 さすがに中学生の英語の教科書みたいなアホな挨拶に、ネオ=キアヌも思いっきり脱力した。だがこんな寒いギャグもスミス=ウィービングの余裕のなせる業か。

 かくしてドシャ降りの雨が打ち付ける中、ネオ=キアヌとスミス=ウィービングの雌雄を分ける決戦が始まった!

 

 

 

その2につづく

 

 

 

 

 to : Review 2003

 

 to : Classics Index

  

 to : HOME