「サラマンダー」

  Reign of Fire

 (2003/06/02)


  

現代文明を焼き尽くす凶悪なドラゴン

 ここは現代のロンドン真っ直中。一人の少年が地下鉄拡張工事の現場に堂々と入っていく。なぜか行き交う工事労働者たちからもお咎めナシ。それどころか声をかけられたりする。そりゃまた何で?

 それというのも、この工事で彼の母親が現場監督として働いているから。少年はトンネルの中に入っていって母親と面会。実は彼、ちょっとツラい事を白状しなくてはいけない。奨学金を受けられなかったと告げねばならないのだ。この知らせには母親も絶句。苦しい家計でどうすればいいのか。

 そんな最中、トンネルで変事が発生した。なぜかドリルが空洞を掘り抜いたというのだ。興味にかられた少年は、ボコッと開いた穴に入っていく。

 中は自然の鍾乳洞みたいに、奇妙な曲線を描いた壁面で覆われている。少年が感嘆の声を上げながら見つめていると、どこからともなく火が燃え出すではないか

 一体どうした?

 突然壁面が動き出した。地響きのようなうなり声が上がる。少年はただならぬ事態を察して、慌てて穴から飛び出した。

 「母さん、母さん、大変だよ!」

 その頃そうとは知らぬ労働者が穴の中をのぞき込むと…。

 ブワ〜〜〜〜〜ッ

 突然物凄い勢いで炎が吹き出してきた!

 何だなんだ! トンネルの中に紅蓮の炎が溢れかえる。これにはマズイと母親は、少年を連れて昇降用エレベーターに乗り込んだ。

 しかしエレベーターはゆっくりとしか進まない。そんなこんなしているうちにも、下のトンネルには炎が燃えさかっている。それは徐々に近づいてきた。そして姿を現したのは…。

 神話や伝説の世界でしか見なかったような、巨大な竜そのものではないか!

 竜はトンネルを登ってくると、エレベーターの中の少年と母親に迫った。もうダメだ! そして一瞬の後に竜はトンネルの這い上がって、地上に飛び出していった。

 間一髪…助かったと安堵した少年。だが、母親は動かない。母親は少年を庇って、竜の餌食になってしまったのだった…。

 以来、竜は地球のあちこちに出没。物凄い繁殖力で地上に広がった。研究者はこの竜が、かつて恐竜を滅ぼした元凶だと断定した。そして地上のすべての生き物を食い尽くすと、新たに命が地上に満ちるまで地底の奥深く眠っていたと言うのだ。そして満を持して現れた。

 そんな竜に人類はまるで歯が立たず、ついには核兵器まで使用されたが、それは瓦礫の山を増やすだけだった。世界各都市は壊滅し文明は寸断され、一握りの人々を除いて人類は地下に避難していった…。

 そんな今から20年後のイギリスの荒野。少年はいまや逞しい若者クリスチャン・ベールとなって、この小さな砦を率いるまでに成長した。ここはいくつも全滅した人間の集落の残された一つ。しかし来年も生き延びられるかどうか保証はない。ベールは親友のジェラルド・バトラーに支えられながら、ともすれば志気が低下しそうな一同を率いて砦を死守していた。それでも不満がつのって小ぜりあいが絶えない。中にはあまりに頑固者のベールにあからさまに反旗を翻す者さえいる。だが、ベールは厳しくみんなを律して行かねばならない理由があった。竜は今も地上を我が物顔に支配している。しかもエサの人間が減って、常に腹を空かした状態だ。 勝手な行動は砦のみんなを危険にさらしかねないのだ。

 そんなベールの思いをよそに、彼に逆らって車で外に出た一団がいた。どうせ先が長くないなら、こんな所で死にたくはない。ずっと我慢などしたくない。万が一の可能性に賭けたい。そんな連中はみんなで育てた畑の作物を勝手にもぎ取って、トンズラしようと姑息なマネをする。だが、ノコノコ畑に出ていったのが運の尽き。

 竜が出た!

 畑で作物をもぎ取っていた彼らに、竜が襲いかかってきた。竜の吐き出す炎で畑は焼き払われ、連中の一人はパックリと食われた。もはや絶体絶命。

 そんなところに現れたのが、防火服に身を包んだベールだった。

 ベールは彼らを車に乗せると、竜を後目に必死の脱出を試みる。危機一髪の危ないところだったが、ベールたちは何とか砦まで逃げ出すことが出来たのだった。

 だが畑は丸焼けだ。これから作物もなしでどうやって生き延びていくのだ?

 そんなある日、地平線の彼方から予想もしなかった一団が現れた。戦車や装甲車を連ねてやって来た手強そうな連中。それは砦に略奪にやって来た盗賊集団か?

 砦のみんなが武装したまま固唾を飲んで見守る中、戦車から一行のリーダーらしき男が顔を出した。ハゲ頭に逞しいカラダ。身につけた軍服には…何と星条旗。

 「竜より始末が悪い、アメリカ人だ!

 そう。なぜかアメリカの軍人たちがやって来たのだ。

 とりあえず砦の代表者としてベールが出ていく。先ほど顔を出したハゲ頭の男と直談判だ。ハゲ頭の男マシュー・マコノヒーは、アメリカから何と軍用機でやって来たと言う。だが途中何人かを失い、燃料も限りがあるため、ここでひとまず投宿したいとのこと。だがベールは彼らを警戒して、砦の中に入れようとしない。

 「俺を誰だと思ってる。竜を殺した男なんだぞ

 見るとハゲ男マコノヒーは、首から竜の牙一個を下げている。彼は竜を殺すための秘策があると言うのだ。この一言にベールの心は動いた。彼はそれまでの決心を翻し、あえて危険は承知でアメリカ軍人たちを砦に迎え入れることにした

 すると何と彼らの仲間はこれだけではなかった。空から軍用ヘリが一機飛来して、砦の敷地内に着陸。このヘリから降りてきたのが、女性操縦士のイザベラ・スコルプコ。これにはベールも目を見張った。

 砦の人々はアメリカ軍人たちを警戒しつつも、その装備に驚異の目を見張った。彼らなら、やってくれるかもしれない。そんな期待が高まってきた最中…。

 またしても竜が出た!

 そうなると、一気にスタンバイのアメリカ軍人たち。軍用ヘリも発進した。ドラゴン狩りの始まりだ!

 方法はこうだ。まずバイクの三人が三角形を成す3つのポイントに測量機を設置。そこから発信される信号で竜の位置を把握。それに基づいてヘリから三人のスカイダイバーが落下して、竜をおびき寄せつつ網を投下。竜の動きを封じて墜落させる…という段取りだ。

 そして次々と測量機を設置していくバイク野郎たち。ところが最後の一人が測量機を設置しようとした時、竜の炎が襲いかかった。

 測量機からの信号がいつまでも来ない。指令を出しているハゲ男マコノヒーにも、ヘリで待機しているスコルプコにも緊張が走る。

 その時、危険を察知したベールが馬を駆って、襲われたバイク野郎の持っていた測量機を回収。改めて地面に設置した。やっとレーダーが作動を始める。

 すると、竜はヘリの真後ろに潜んでいたではないか!

 慌てて急旋回し難を逃れるヘリ。スカイダイバーたちが一斉に大空に舞った。

 だが、やはりうまくいかなかった。ダイバーの一人は竜に食われ、もう一人は地面に激突。竜は網にかからず思うがままに空を舞っている。

 無線を通じてマコノヒーの指令がベールに飛んだ。「そのまま馬で走って竜をおびき寄せろ!」

 勇敢にもベールは馬で疾走。案の定、その真後ろから竜が襲いかかろうと飛びかかったその時…。

 マコノヒーのロケット砲が火を噴いた。

 間一髪! 竜はもんどり打って地面に叩きつけられ、そのまま息絶えて横たわった。

 やった! 竜に勝利した!

 その夜、砦は久々に沸き立った。何せ初めて竜を倒したのだ。これはめでたい。大勝利だ。そんな大騒ぎの砦の大広間に、あのハゲ男マコノヒー以下アメリカ軍人たちがやって来る。

 「いい気なものだ。竜一匹倒してこの騒ぎ。こっちは何人死んだと思ってるんだ!

 だが、ベールにも言い分はあった。彼らとて、今まで竜にどれだけ貴重な命を奪われてきたか分からない。コワモテぶりで言いたい放題のハゲ男マコノヒーに、ベールは反発を隠しきれなかった

 その一方で、ベールとスコルプコはお互い惹かれ合うものを感じていた。そんな会話の折り、ベールが事の発端となったロンドンの事件で、たった一人生き残った少年だったことを知るスコルプコ。

 やがてハゲ男マコノヒーは、ベールにこの地へ来た真意を打ち明けた。実は竜を何頭倒しても、それらはすべてメスだった。だが生殖にはオスがいるはず。たぶんオスはロンドンに現れたあの一頭のみ。あれさえ倒すことが出来れば、竜を根絶することが出来るはずだ。彼らは近々ロンドンに、オス竜討伐のために出かけると言う。

 だが、そのためには兵力が不足だ。だから、この砦から有志を募って自分たちに加えたい

 このハゲ男マコノヒーの勝手極まりない言い草に、さすがのベールも反発した。まず危険すぎる。それにこの砦も守らねばならない。人手はこっちだって必要なのだ。

 そんなベールをハゲ男マコノヒーはなじる。竜にされるがままでいいのか。そんな弱腰を罵倒するマコノヒーは、いかにも強気一点張りの独善で凝り固まったアメリカ人らしさをムキ出しにし始めた。おまけにもうベールには頼まないとばかり、何様のつもりか知らないが勝手に広場で砦の連中から志願兵を募る。これが思ったように集まらないとなると、銃で脅して勝手に徴兵しようとする始末だ。どこまでもテメエ勝手、人の家の中に土足で上がり込むがごとき振る舞い。これにキレたベールはハゲ男マコノヒーに殴りかかるが、鍛え抜かれた軍人マコノヒーの敵ではない。叩きのめされたあげく、「その怒りを竜にぶつけろ」などと決め台詞を吐かれる始末だ。

 かくして砦の貴重な人材が、軍人たちに連れて行かれてしまった。為す術もなく見送るだけの失意のベール。

 やがて兵力を加えてロンドンへ向かった軍勢は、塞がった道路上で立ち往生。見通しが甘かった。しかも、そんな最中に竜が上空から襲ってくる。不意の急襲に、彼らはひとたまりもなかった。紅蓮の炎が彼らを焼き尽くす。

 ヘリで進路を探しに行っていたスコルプコが戻ってみると、軍勢はもはや壊滅状態だった。せっかく兵力を補充したのに、それもほとんど全滅。残ったのはハゲ男マコノヒーと残りケガ人が数名だけ…。

 その頃、たまたま外出していたベールが砦に戻ってくると、砦は竜に襲われ炎上、崩壊していた。ベールも加わって必死の救出が始まったが、地下壕に逃げられたのはほんの一握りの人々だけ。ベールの親友だったジェラルド・バトラーも命を落とした。ガックリ肩を落とすベール。

 おまけにそこにやって来たのは、ボロボロになって敗走してきたハゲ男マコノヒー、スコルプコとケガ人数名。驚いたことにあの独善マコノヒーが初めてベールに頭を下げた。「オマエが正しかったよ…」

 だが、ベールは気が変わっていた。もはやこれまでだ。もう我慢できない。このままでは、ただやられるだけだ。もう反撃しかない。テムズ川からロンドンへ行って、オス竜を倒すしかない!

 だが彼らに残されたのは、もはやあのヘリ一機のみ。あとは機関銃やライフルと、爆弾をくくりつけた矢に手斧一丁だけだ。これでどう戦う?

 だが、もうベールはひるまなかった。ヘリでロンドンに向かったベール、マコノヒー、スコルプコの三人は、まさに素手状態でオス竜と立ち向かうことになったのだ!

 

いい味出し始めたクリスチャン・ベール

 この映画、当サイト恒例の正月映画座談会でも話題になった作品なんだね。正月映画って言って、何で5月にやってるんだって疑問はこっちに置いておくとして…(笑)。まずは、かのこさん、あむじんさん、アインのママさんと共に語り合った、その座談会での内容を再録してみよう。

 

かのこ:これは予告編もなくて画像しか見れなかったんですけど(編集者注:かのこさんのビデオ収録の時点では予告ムービーは入手出来てなかった)、マシュー・マコノヒーが出てます。あと、クリスチャン・ベール。この人は「アメリカン・サイコ」に出ていた人ですよね?…私の好きな人です(笑)。女優さんがイザベラ・スコルプコって「バーティカル・リミット」とか「007」に出てた人。画像を見た限りではファンタジーのような“近未来もの”のような、それこそキングギドラみたいなのの横に戦闘機があったりして…よく分からないんですが。でも、過去にも今も怪獣はいなかったので“未来もの”だと思います。で、マコノヒーが…ツルッパゲになってえらく深刻な顔してます。何かタフガイって感じで。こう言うと、きっと合ってないって感じがするでしょうが(笑)、見ると結構別人みたいにハマってます。そういえば、何か「薔薇の名前」みたいなかぶり物も着ていたんですよね。だから人類は、また虐げられている側かもしれません。

映画館主・F:これは難しい映画ですよ。資料もないんで分からないですけど。ビルが崩れてる廃墟みたいなのが出てきて、近未来ものかと思いますよね? ところが竜が出てきちゃう。

あむじん:あれはホントに竜ですよね。ファンタジーのね。

アインのママ:あれみたいじゃない? ケビン・コスナーの失敗作。「ウォーター・ワールド」。

あむじん:核でやられちゃったみたいな? でも、竜がなぁ。

アインのママ:ホンワカ・ムードのマコノヒーがこんな役もやるんだ。

映画館主・F:ずいぶん辛口ですよね。これって化けたら面白いんじゃないですか?

あむじん:う〜ん、一回戦争が起こった後の話かねぇ。

アインのママ:これはクエスチョン・マークね。

 

 正直言って、この座談会の会話ですべてが言い尽くされていると言っていい。最初にこの作品の存在を知った時、正直言って訳が分からなかった。出てくるのは、どう見ても怪獣じゃなくてドラゴン。神話や伝説に出てくるドラゴンだ。だけど、ファンタジー作品とは見えない。現代的なヘリとか戦車が出てきて近未来SFっぽい。だけど、ドラゴンだよ。火まで噴く。どう見たって非科学的ドラゴンが出てきて、未来SFってのはどういう事だ。

 すると「まんま」そういう話だったからビックリ。ホンモノのドラゴンが出てきて、世界は破滅に陥れられる。生き残った一握りの人間たちが、このドラゴンに戦いを挑む話だ。確かに面白そうとは言えるけど、これってSFとして成立しちゃうのか…と思ったら、とにかく強引に成立させちゃったんだよね。

 考えてみればゴジラだってガメラだって、生き物のくせに火を(あるいは光線を)吐くんだからね。ドラゴンだって、それはそれで良し…としたって悪い事はない。一旦それはアリ…の世界にしちゃって話を展開させていくってのは、発想の転換、発想の勝利なんだね。その思い切りの良さが本作の命だ。荒唐無稽は分かり切ってるんだから、ともかくそれでやっちまえ。後は映像のリアリティで勝負だ…。確かに今までそういう事を考えつく奴がいなかったのが不思議だね。

 驚いたのは、マシュー・マコノヒーの大変貌ぶり。ハゲ頭にして髭モシャ、逞しいカラダにイレズミと、思いっきりマッチョ。思えばこの人、いきなり主演級で出てきたけどイマイチ線が細い感じで、スターだか何だかよく分からないところがあった。それが「U-571」あたりでちょっと辛い男の味が出てきたんだね。今回はそれをさらに一歩も二歩も押し進めた感じだ。そしてキャラクターもいつものナイスガイとは一線を画している。アクがめっぽう強い、ちょっと好漢とは言い難いキャラクターだ。

 でも本当の本作の主役はマコノヒーじゃない。実はイギリス人のクリスチャン・ベールこそ真の主役だ。彼がなかなか精悍なツラ構えでいいんだよ。最初は「太陽の帝国」の子役で終わっちゃうんじゃないかと思ってたけど、「アメリカン・サイコ」の主演あたりからユニークな存在感を見せてきた。先に公開された「リベリオン」といい、あくまでA級じゃないけどユニークな作品出演が相次ぎ、独自な個性を主張し始めたんだね。ここんとこのベールの作品選択を見ると、なかなかただ者じゃないよ。彼って分かってる気がする。単なる二枚目スターじゃないとこ目指しているあたりが面白い。今後もベールからは目が離せないよね。

 そうそう、劇中でベールがダース・ベイダーに扮して「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」を芝居にして演じてるくだりが出てくる。そうやって娯楽のない砦の子供たちを楽しませているって設定だが、ここでのベールが、口で「ス〜ハ〜」とか言いながら実に楽しそう。そんな遊び心が溢れてる感じがいいんだね。

 今回面白いのは、あえてイギリスに話を持ってきているところ。これってやっぱりドラゴンが出てくるファンタジーと言えば、イギリスかな…って発想なんだろう。結局は昔からのドラゴン伝説をどこか引きずっていて、その現代的再生産をやろうと思ったんだろうね。テレビや映画版の「X-ファイル」などを撮っていたという監督のロブ・ボウマン以下スタッフたちの狙いも、今の時代に受け入れられるドラゴンもの冒険アクションをつくりたいってことだったんだろう。

 だから、アメリカ軍人たちがイギリス人たちから「竜よりタチが悪い」なんて言われる一幕も出てくるんだよ。僕は何と言ってもこの映画ってアメリカのタッチストーン映画だから、結局はアメリカン・ウェイ万歳になるのかと思った。そうなると、マコノヒーのコワモテぶり、強引ぶり、やたら「戦い」に意義を求めるマッチョぶり、徹頭徹尾モロの独善性が鼻につくなぁ…と一瞬イヤな予感がした。しまいには無理やり徴兵は始めるしね。今時のアメリカのやりたい放題ぶりを、こんな荒唐無稽な映画の中でも見せられるのかと思ってウンザリし始めた。

 ところがそんなアメリカ人たちはあえなく撃退され、最後にはマコノヒーもベールに泣きを入れざるを得なくなる。このへんはちょっとアメリカ映画的な感覚とは違うね。ラスト・クレジットを見ると、この映画の製作主体はイギリスとアイルランドらしい。なるほど、監督・脚本ともアメリカ人で、アメリカ資本が入ってはいるけど、そうも露骨に独善的なアメリカン・ウェイの賛美には出来なかったんだろう。

 そう考えると、まるでパットン将軍もどきのマコノヒーも、滑稽に見えなくもない。劇中ではアメリカ海兵隊が危うく地球を壊滅しそうになったとの非難も出てくるし。

 映画としては、大活躍してくれるはずと期待させた現代兵器が、クライマックスに全然生かされないとか不満もある。だって、そのためにこんな設定を考えたはずなのに、これはちょっともったいない。そしてあくまで局地戦ばかりでスケール感がないのも残念だ。肝心のロンドンでのヤマ場も、意外にチマッとしてるからね。

 だけど、まずはこういう設定でドラゴンを出そうとした発想は買える。おまけに独善アメリカン・ウェイの押しつけに、一矢報いているのもシラケなくていい。

 そんな絶妙のバランス感覚が、今時の映画にして健全なものを感じさせてくれるんだよね。

 

 

 

 

 

 to : Review 2003

 

 to : Classics Index

  

 to : HOME