大穴狙い「第14回東京国際映画祭」

  Seeking for the Dark Horses in TIFF 2001

 (2001/11/12)


11月2日(金)

「痩身男女」痩身男女(Love on a Diet)

 

 この作品以降の3作については、映画祭を見るために東京へやって来ていた札幌の映画ファンかのこさんと一緒に見た。とにかく彼女が大期待の作品。切符も早々になくなって大争奪戦が繰り広げられた一作である。

 

 ここは日本のある地方都市のコンサート・ホール。人気絶頂の新進ピアニスト黒川(黒川力矢)のコンサートが、今まさにフィナーレを迎えようとしているところ。最後の曲を弾こうというその時、黒川は突如深刻な表情で「考える人」ポーズをとると、感慨深げに独白を始めた。「この曲は、私の大切な人のためにつくったものです…」

 これを聞いて奇声を上げた一人の女…それは舞台の袖でコンサートを見守っていた黒川のフィアンセ(樋口明日香)だ。いつまでも過去の女の思い出にひたられて、逆上した彼女は怒り心頭のあまり大暴れ。コンサート関係者も取り押さえるのがやっと。

 だが同じ頃、会場で奇声を上げた女がもう一人いた。それは客席でコンサートを見ていたファンで、丸々と肥えた香港女ミミ(サミー・チェン)。彼女はひ〜ひ〜わめくと回りの客の迷惑かえりみず、無我夢中で客席から這い出した。あげくあわてて会場から飛び出そうとして、ロビーでもんどり打って倒れると身動きできなくなるアリサマ。

 そこへたまたまコンサートを終えた黒川が通りかかると、彼女を見つけて優しく声をかけた。彼女は黒川のコンサートツアーをずっと追っかけてた熱狂的ファンとして、彼の印象に残っていたのだ。そしてCDをプレゼントする、ポスターをプレゼントする、おまけにサインも…。あなたの名は? ミミです…。

 「ミミ…、僕の昔の恋人と同じ名ですね…」

 そんな彼の言葉を聞いて感極まって泣き出すミミ。そんな彼女の涙は決してうれし泣きではなかった。

 まもなくのこと、その地方都市の喫茶店にて。旅館の女将に連れられて、近所のオッサンと見合いさせられているミミの姿があった。実はこの女将の旅館に泊まっていたミミはお金を使い果たして宿泊費が払えなくなっていた。そこで女将は彼女を誰かとくっつけたあげく、お金を払ってもらおうと画策していたのだ。あんたも男ヤモメが長いでしょう?この娘どう?やせたら美人とは思わない?…女将は必死で持ちかけるものの、オッサンは肥えに肥えたミミの姿に怖じ気づいて、コッソリ裏口から逃げ出してしまう。ミミはミミでオッサンの食べ残しの飯をコッソリ…やがてムシャムシャ食べ始める始末だ。

 その喫茶店に偶然もう一人の…これまたえらく太ったデブ男(アンディ・ラウ)がいた。このデブ男は包丁の行商人らしく、喫茶店に一人の男を連れ込んで商品を売り込もうと四苦八苦。だが見るからに不器用そうなこの男に、うまく売り込みなどできようはずもない。デブ男が客と見込んだ男も、ミミの見合い相手とほぼ同時に、店の裏口から逃げ出してしまった。だがデブ男は逃げた客の残した飯をムシャムシャやりだし、まったくメゲてない。

 度重なる見合いの失敗に業を煮やした女将は、デブにはデブ同士がよかろうと思ったか思わないか、ちょうど旅館に泊まっていたデブ男にミミを引き会わせた。だが、お行儀良くして気に入ってもらえるようにと、女将がどんなに口を酸っぱくして言ってみても、食い意地が張りまくっているミミには馬の耳に念仏。デブ男のスナック菓子のおこぼれを頂戴しようとするザマに、さすがの女将も怒り狂った。だがちょうどその時、デブ男はミミを引き取ると言い出したのだった。

 「お幸せに〜」の声に送られて、デブ男の黄色い軽自動車で旅館を出発した二人。やがて最寄りの駅に車を止めたデブ男は、ここで車を降りて好きなところへ行けとミミに言った。実はデブ男も香港人。同郷のよしみで彼女を助けたのだった。

 だがミミはガンとして車から降りようとしない。怒ったデブ男は彼女を車に乗せたまま、別の旅館へ行って一人で部屋をとる。ところがミミもちゃっかり部屋に来て、勝手に布団敷いて寝ちまうじゃないか。頭に来たデブ男はテレビをつけて、イヤがらせにエロビデオのあえぎ声をフルボリュームで聞かせる。すると彼女は何を勘違いしたか、デカパンを何枚も重ね履きすると二人の布団の間に水を汲んだ桶を置いて、自分の貞操を守ろうとするからデブ男はなおさら頭に来た。

 やがて大イビキをかいて寝込むミミ。デブ男はあわてて荷物をまとめると、コッソリ部屋を抜け出して自分の車に駆け寄った。何だかんだ言ってもデブ女の浅知恵もこれが限界さ。

 ところが敵もさる者。車のキーをキープして眠っていたのだ。ええいままよとキーを壊して出発しようとすると、運悪くオマワリさんとハチ合わせする間の悪さ。

 もはやデブ男はカンカン。ミミが黒川のコンサートツアーの追っかけやって金を使い果たしたと知ってさらに血圧が上がり始めた。もはや自分には行くところがないと泣いてすがる彼女にも、ひとっかけらも同情心なんかわきゃしない。だがそんなデブ男が彼女の取り出した写真を見たとたん、今度は一気にその血の気が引いたから不思議。その写真に写っていたものは…?

 美しくスリムな若い女…しかも、その女の顔には確かに見覚えがある面影が…。

 ミミ? おまえなのか…?

 さぁ、そこから始まるミミの涙ながらの告白とは?

 

 10年前のこと、日本に留学していたミミはまだスリムで美しかった。そして若きピアニスト黒川と出会い、恋に落ちた。やがて黒川はピアノの修行でアメリカに留学することになる。10年したら会おう、このマリンタワーの下で…。

 ところが彼の不在中、寂しさのあまり過食症になってしまったミミ。食いに食いまくったあげく文字通りの百貫デブになってしまった彼女に、かつてのスリム美人の面影は見るべくもなかった。月日は流れ、帰国して気鋭のピアニストとして活躍することになった黒川。だが、もはやミミは彼の前に名乗りを上げることが出来ない。そんなある日、例のコンサート会場で偶然再会した二人。だがもう黒川は、彼女のことを昔の恋人と気づくことは出来なかった。そして約束の10年後の「あの日」まであと半年…。

 嘆き悲しむミミの打ち明け話に、もはや邪険にできなくなったデブ男は、柄にもなく優しい言葉をかけていた。元々この男、悪い男ではない。妙な回り合わせではあるが、いつの間にか彼女を助けぬわけにはいかないと悟らざるを得なかった。

 次の日から一緒に道中を続けることになった二人。ミミは意外な商才を発揮して包丁を売りまくり、何となく持ちつ持たれつの間柄になった。時にはダイエットして黒川に再会すると言い出すほど明るさを取り戻したミミだが、そんな事できるわきゃないことはデブ男もお見通し。そんな時は思い切り二人で食いまくり、あんな男は忘れろ、デブであることの幸せを味わえ…とミミに言い聞かせるデブ男ではあったのだが…。

 しかしやっぱりミミは忘れることなんて出来なかった。あげくデブ男を乗せたまま軽自動車で海へダイブの無理心中を企てようとするほどの思い詰めようだ。そんな理不尽な話につき合わされてはたまらないデブ男は、ついつい彼女のダイエットを応援すると指切りゲンマンさせられるものの、そんなものはその場の勢い。一緒に海の藻屑となりたくないが故の方便だった。

 とりあえずダイエットの専門家にご相談…とスポーツクラブを訪ね回るが、どこも半年でスリムにするなんって無理とニベもない。それでもミミは譲らない。聞くだけ聞いたから諦めろと言っても、今さら後には退けないとその場に頑張ってしまう。デブ男もこれにはつき合いきれないと彼女をその場に残し、車でいずこかへ立ち去ろうとした。

 だが忘れ去れない…忘れようとしても、この指切りゲンマンして約束した、俺の小指が忘れてくれない。仕方なく元の場所に立ち戻ったデブ男が見たものは…雨の中、必死に一人ウサギ跳びを続けるミミの姿。俺はこの女を見捨てては行けない。見捨てられぬのならつき合うしかない。つき合うんなら、トコトン最後までつき合うのが男じゃないか!

 こうして一念発起したデブ男は、ミミを中華街の自分のねぐらに連れてきた。この男、商才も器用さも過らっきしないが、人を惹きつける人望だけはあったのか、彼と親しい気の置けない仲間たちが集まった。この女を元のスリム美人に戻せ、一人ひとりの知恵を貸せ、総力戦で頼む!

 さぁ、ここからミミのやせるための戦いが始まった。下剤、サナダ虫、ダイエットフード、そして絶え間ない運動。一時は病院の世話になりながらもダイエットへの戦いは続く。その甲斐あってかいくらか痩せたと分かった日には、喜びのあまりミミを中華街中引き回して見せびらかすデブ男。

 だが減量の道は厳しい。足踏み状態になって、またも投げ出そうとするミミに、デブ男は自分もつき合うと誓う。その日から、二人は二人三脚のダイエット生活を始めた。その徹底ぶりや、そんなデブ男の姿を見つめる仲間たちが、何でそこまで…と首をかしげるほどの熱心さだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつかこの映画を見るつもりの人はここまで

(ただし現在、日本での配給会社は未定)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなある日、ミミが黒川と再会する時のリハーサルをしたいと言いだし、デブ男が黒川役をさせられて甘い言葉をかけあううちに、ひょんなことから二人はキスを交わしてしまう。はずみだ、気のせいだ、ダイエットの副作用だ…と思い込もうとするが、どうしてもお互いを気にしてしまう二人。これではマズイと悩んだデブ男は、素人療法の限界を痛感していたこともあって、ミミを泊まり込みのダイエット施設に入れることを決心する。それは実はもはや彼女への同情だけではない。いつの間にか彼女に抱くようになった愛情のなせる業だった。だがそれは叶わぬ思いだ。彼女には他に愛する男がいるから…そして彼女が念願通りスリムになったその時には、太った自分は相応しい相手ではないから…。彼女の施設入りを決めたその夜、デブ男は封印していたジャンクフードに手をつけた。

 だが、ミミを施設に入れるためには、実は莫大な費用が必要だったのだ。たちまち底をつくデブ男の銀行口座。この窮状にデブ男は決断した。この身を的にして稼ぐしかない!

 それから間もなく夜の繁華街に、仲間たちの手を借りて大道の殴られ屋を開業するデブ男の姿があった。2時間500円で殴られ放題。さすがに面白いほど稼げはしたが、男の体はボロボロになっていった。そのあまりの悲惨さを見るにつけ、仲間たちはデブ男に思わず問わずにはいられない。価値があるのか?こんなことをやって一体何の価値があるというんだ? だがデブ男はそんな問いを一顧だにせず、ただこう繰り返すのみだった。

 価値はあるさ…俺にとって、これは何より価値がある。

 その間も施設で着々と痩せて、見違えるような姿に戻っていくミミ。彼女は何度もデブ男に面会に来るよう求めるが、デブ男は何だかんだと言っては約束をスッぽかした。それは彼女にボロボロになった自分の姿を見せて、心配させたくなかったから? それもあるだろう。だがそれよりも、会うことによって未練が増すことを何より恐れたのではなかったか? そして何より忍びなかったのは、美しくスリムになっていく彼女に、不釣り合いになっていく自分の無様な姿を見せること…。

 希望通り痩せて、晴れて施設を出ることになったミミ。かつて知ったるデブ男のもとに飛んで帰った彼女が、仲間に言われて出かけていったその場所は…。

 そこには殴られ屋として必死に耐え抜くデブ男の姿があった。立ちすくむミミと目を合わせたデブ男は、すっかりスリムに戻った彼女を見て歓喜のあまり叫ぶのだった。

 「価値はあった!」

 今までのデブ男の身を粉にしての献身に、感謝の気持ちでいっぱいのミミ。だがデブ男はもはや彼女と旧交を暖めようとはしなかった。そして彼女を黒川との再会の場に連れていくと、黙ってそのままいずこかへ去って行った。

 再会の場には黒川が、大マスコミ陣を引き連れて待っていた。感激の再会を果たし、「あの黒川」の噂の恋人として一躍時の人となるミミ。

 だが、それで本当によかったのか…?

 

 今年の映画祭で、ある意味最も期待していた作品が実はこれだった。だが最初チケットを買いに行った時には売り切れで入手できず、一時は見ることを諦めていた。今回こうして見ることが出来たのは、ネット映画ファンの知人Hideさんと、彼の紹介によってコンタクトをとることが出来たSATOさんのおかげだ。ここでこの場を借りてお二人にお礼を言いたい。

 この映画、全編日本を舞台としており、ロケも大々的に日本で行われている。もっとも画面を見ていると、横浜と新宿がグチャグチャみたいな珍妙な印象もあるのだが(笑)。それはともかく、この映画が日本を舞台とする必然性は、ドラマを見る限りでは全く感じられないのだ。ではなぜ?…実は、今年公開された「東京攻略」をはじめ、最近の香港映画には日本ロケものが異常に多いことにお気づきだろうか? どうも彼の地の映画界では日本ブームが巻き起こっている(あるいは「巻き起こっていた」)らしいんだね。そういや日本の役者が向こうの映画で主演するケースも多いもんね。これはそんな香港映画の日本ブームに乗って制作された一本であることは間違いない。

 この映画の監督はジョニー・トーとワイ・カーファイの二人組。実はこの二人、今回の上映後に舞台に登場すると、挨拶の簡単な質疑応答を行ったからビックリ。この日は劇場に現われる予定ではなかったのだが、空港から劇場まで直行したとのことで満場の喝采を浴びていた。何でもこの二人はコンビですでに何作もの作品を発表しており、近日公開の「ニーディング・ユー」もその一本とか。この「ニーディング・ユー」、監督コンビだけでなく主演のアンディ・ラウ&サミー・チェンと、この「痩身男女」チームが最結集した作品。それを聞いたら俄然見たくなった。

 

両監督のサイン(ジョニー・トー<左>、ワイ・カーファイ<右>)

 また監督二人の役割分担については、脚本執筆とロケハン等の段取りのワイ・カーファイに対して、現場の指揮を握っていたのがジョニー・トーということのようだ。そして注目すべきは、このジョニー・トーが単独で監督した作品として「ザ・ミッション/非情の掟」があること。先日公開されて話題になった犯罪アクションの傑作として「漆黒のナゴミ」のコージさん初め多くの方々にお勧めいただきながら、結局見逃してしまったのが今となっては悔やまれる。しかし、あまりと言えばあまりな作風の激変ぶり。そのあたりジョニー・トー本人に言わせると、「ザ・ミッション」は作家としての満足を追求した映画、そして「痩身男女」は観客のためにつくった映画とのこと。まぁコマーシャリズムの映画と言えば身も蓋もないが、ここは僕としてはウェルメイドな職人仕事との意味と捉えたい。実はこの作品、僕はとっても気に入ったのだ。

 アンディ・ラウそしてサミー・チェンという、スリムな美形スターに超デブ・カップルを演じさせるという発想は、おそらくエディ・マーフィーの「ナッティー・プロフェッサー」あたりから得たものだろうが、こっちの方がずっと気が利いている。この二人の愛すべきデブぶりが何といってもチャーミングなのだ。特に二枚目としてどちらかと言えばスカしたイメージさえあるアンディ・ラウの、なかなかの芸達者ぶりは見事。

 だから主役二人がスリムな美男美女に戻って、いかにもラブストーリー的再会を果たすエンディングあたりになると、むしろ愛すべきデブ二人がいなくなって残念に思うほど。「いかにも」ラブストーリーと化したラストでは、一気にシラジラしくなってしまう可能性もなきにしもあらずだ。ここでジョニー・トーとワイ・カーファイはと言うと、なかなか周到な作戦を張り巡らせる。絶妙なタイミングでズッコケギャグが用意されているのだ。これによって観客はサメる前に再びウェルメイドなコメディの世界に引き戻される。この作戦は作品の随所で行われており、例えば黒川と再会果たしたミミがデブ男への愛を思い出し、黒川を振り切って去っていくくだり…などなど、ドラマがシリアスになりそうな箇所にさしかかると必ずズッコケギャグが挿入される老練さだ。これは単に良質なコメディ映画のつくり手としての計算だけでなく、美しく飾られつくり込まれたドラマをなぞることへの一種の照れであり、本当に人の心を打つものはキレイ事ではなくて無器用なヤボったさなんだ…という信念の現われと僕には見てとれたがいかがだろう?

 アンディ・ラウも、ここでは愛すべきデブ男に徹したからこそ男の純情が心にしみる。ピュアな思いが真に迫ってイヤミにならない。あの傑作「誰かがあなたを愛してる」とまではいかないが、それでもデブ版「無法松の一生」とでもいうべき愛に殉じた男ぶりが、むしろいっそ美しくさえあるのだ。

 そんな主人公の太った「愛の殉教者」たる姿は、劇中繰り返し主人公と仲間たちによって発せられる言葉によっても、より鮮烈に心に刻まれる。

 「価値があるのか?」

 それは、スリムになろうとしている女への必死な献身…そこに何の意味があるのかを問いなおす言葉だ。愛する女の願いを叶えたいための努力…しかしそれが成し遂げられた時、出てくる結果は男にとってただツラいだけのものでしかない。女はスリムで美しくなり、太って愚鈍に見える男とは決定的に不釣り合いになる。そして女は昔の恋人の腕の中に戻る。それは果たして男が身を粉にし、自らを犠牲にする「価値のある」ことなのか?

 それはきっと我々自身、実人生の中で何度も経験することではないか?

 相手も自分のことを思ってくれている、自分のために何かをしてくれている…それが分かっていながらも、我々は時として自らにこう問わずにはいられない。…自分が相手のために思っているほど、相手は自分のことを思ってくれてはいないんじゃないか? 相手のためにしてやってることほど、相手は自分に何かしてくれてはいないんじゃないか?…大体、この俺の気持ちを汲もうとなどしていないのではないか?

 それはついついわが身のことだけを考えてしまい、エゴに囚われた愚かな自分が陥ってしまうありがちな罠だ。そしてそれらの問いに対しては、実はたった一つの答えしかない。この映画「痩身男女」には、その明快な回答が提示されている。

 ここはおまえのテメエ勝手な思い込みと被害者意識に付き合って、仮に相手がおまえの気持ちなんぞ全く汲んでないとしよう、五十歩譲っておまえほど相手のことを思ってくれてないとしよう、百歩譲っておまえほど相手に何かしようとしていないとしよう…もしその通りだとして、それが何だというのだ?

 この映画のデブ男にはハッキリ分かってた。彼女は別の男を愛していて、その男のために痩せようとしているのだと。それでも彼女に献身することに疑いを持たなかった彼。なぜならそれは「価値がある」こと…愛する女のためだから

 別に底抜けに寛大である必要はない。だがその相手を愛しているというのなら、そこで疑問は終わっているはずではないか?

 相手の幸せを望むことこそ、真に相手を思う気持ちなのだから。

 

 

 

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