ハリー・ポッターの銀幕への道

featuring : "HARRY POTTER

and the Philosopher's Stone"


では最後に、映画館主・Fこと私が「ハリー・ポッターと賢者の石」の感想文をお目にかけましょう。これは12月1日午前0時からの先行オールナイトで鑑賞しての、湯気が出そうなホット・レビュー。そして、突然飛び込んできたニュースに乱れる思いを、そのまま反映させた一文となりました。


 

 お疲れさまジョージ・ハリスン

 「ハリー・ポッターと賢者の石」 

 The Review of

 "HARRY POTTER and the Philosopher's Stone"

 夫馬 信一

 by Shinichi Fuma

 

 

あの人は往ってしまった

 僕が「ハリー・ポッターと賢者の石」先行オールナイトを見に行って家を留守にしている間に、そのニュースは世界中を駆けめぐった。どこかの家で女の赤ちゃんが産まれたなんてニュースじゃない。むしろその逆。元ビートルズの…という冠を付けねばならないのが本人には不本意なところだろうが、ジョージ・ハリスンがガンで亡くなったという衝撃的な知らせだ。

 確かにガンを患っていたとか、入院してたとは聞いていたが、まさかこんなに早くとは…。僕がビートルズに格別な思いがあることは、事あるごとに書いてきたからみなさんもご存じだろう。そういう人間にとって、このニュースは決定的な意味があるんだね。やっぱり20世紀は終わったのだ。

 ただジョージってビートルズの中じゃそんなに目立った存在じゃなかった。こんな事言ったら故人には失礼だろうし、熱心なファンの人からはお怒りをかいかねないけどね。でも、やっぱり地味な印象があったことは否めないな。年齢が一番若いということもあったろう。そして何より才能に溢れてカリスマも華やかさもあった、ジョンとポールの後ろに隠れたきらいがあったもんね。リード・ギターって言ったってへたっぴーだったし(笑)、曲を書き始めたのも遅くて、最初はどれもイマイチだった。タレント性はミソッカスのはずのリンゴにさらわれてたし、何か根暗なイメージだったしね。

 そう、ジョージはクラかった。マジメだとも言えるけどね。独力で作曲を覚えて、ビートルズのアルバムにポツポツと曲を入れてもらえるようになるって考えてみれば凄いことだよ。だから、彼もいくつか佳曲を残してはいるが、あの絶頂期のレノン=マッカートニーに互して扱われるのは望むべくもない。最後の最後に「サムシング」という大ヒット曲をつくって有終の美は飾ったものの、やっぱりイメージはクラかった。ホントは彼のシリアスさが、ビートルズをアイドル・グループからマジなロック・グループに格上げする原動力になったのかもしれないけど。

 だから彼はその後、ビートルズ解散を歓迎した発言を連発。ソロになってハツラツと活動を始める。確かに最初は一歩リードの観があったが、好事魔多し。たちまちトラブル続出で行き詰まってしまい、後年は残念ながら元メンバーの中でも一番パッとしなくなるのが早かった。私生活でも不幸な出来事が多かったしね。それでビートルズ時代の思い出話というと皮肉や文句ばっかりだし、他メンバーのことも悪くしか言ってなかったっけ。

 ジョンやポールに頭を抑えつけられることも多かったビートルズ時代。だからその過去を頑なに否定し続けてきた彼。そんなジョージが晩年になってからジョン亡き後のテープ・ダビングによるビートルズ再結成に参加し、合わせて残りのメンバーと「アンソロジー」ドキュメント・ビデオの中で和気あいあいと語り合っていたのには驚いた。月日の流れを感じさせて、何だか感慨が深かったよね。

 彼もついに晩年に至って、いろいろな思いやわだかまりを振り切り、自分とその現実との折り合いをつけることが出来たんだろうか? 過ぎ去ったことを何だかんだ言っても始まらない。ああなればよかった、こうだったらよかったと言っても仕方がない。俺はこれでいいんだ、これでよかったと…。

 

 

魔法界のセレブが帰ってきた

 今から一昔前のことと思っておくんなさい。

 イギリスのとある住宅地に一人の男がふらりと現れた。それは名うてのガンマンとして一世を風靡したリチャード・ハリス…というのは「許されざる者」での役どころ。今回は長い髪にあごひげ、どう見ても魔法使いの扮装での登場である。さらに猫が一匹ニャ〜ゴと往年の楳図かずお怪奇マンガのように現れると、これはマギー・スミスに変身。さらにバイクで空から飛んできた大男ロビー・コルトレーン。この三人衆は赤子を取り出すと、あるショボい家の軒下にその子を置いた。どうもこの子は身寄りがなく、ここの家に託そうということらしい。

「何でこんな奴らにこの子を託さにゃならんですかねぇ」

「この子は魔法界でも一番有名になるはずの子なのに」

「身よりはここしかないのだから仕方がない。第一ここにいれば一番安全なんじゃ」

 さて一通の手紙とともに、この家に託された赤子の運命はいかに?

 

 そして幾年月…。

 例の赤子は眼鏡をかけた少年ハリー・ポッターことダニエル・ラドクリフとなった。しかしここの家の連中はポッター=ラドクリフにえらく冷たい。家の主人リチャード・グリフィスも妻フィオナ・ショーも、出来の悪い息子ハリー・メリングを三田佳子次男みたいに甘やかすだけ甘やかしたあげく、ポッター=ラドクリフは物置に押し込めてコキ使う日々。ドラ息子メリングもそれをいいことにポッター=ラドクリフをいじめ放題という最悪の環境だった。

 だが、このポッター=ラドクリフには不思議な能力があった。今日も今日とてドラ息子メリングの誕生日とあって一家で動物園に出かけたが、そこでポッター=ラドクリフが蛇と目を合わせると、何となぜか会話が成り立つではないか。動物園生まれで生まれた場所も親も知らない蛇の境遇に、我が身をダブらせて同情したポッター=ラドクリフ。とたんにガラス窓は消滅して蛇は脱走。大騒ぎとなったことは言うまでもない。

 そんなある日、身よりのないポッターに一通の手紙が届いた。しかしそれを見るやひったくって破くグリフィス親父。ところが次から次へと手紙は届く。何だこれは日通のペリカン便か、クロネコヤマトの宅急便か、もう郵便は民営化になったのか? いや、違う。空の彼方からやって来たフクロウたちが、バンバン郵便受けに手紙を突っ込んでくるのだ。つまりこりゃ魔女の宅急便。これにはグリフィス親父怒った。

 「何だこりゃ? Outlookのウィルスメールみたいに次から次へと来やがって。絶対ひがみっぽいマックユーザーの仕業に違いない!」

 そうなりゃムキになって手紙を破きに破くグリフィス親父。しまいにはこれなら手紙も届かぬだろうと、海の孤島に引っ越す徹底ぶりだ。

 そんな今日はポッター=ラドクリフの11歳の誕生日だが、祝う人もいない寂しいバースデー。ところがそんな夜中に、突然の来客。扉が力づくでブチ破られ、そこに例の大男のハグリッドことコルトレーンが登場だ。

 ハグリッド=コルトレーンはポッター=ラドクリフの誕生日を祝うと、魔法学校への入学を誘った。これに敏感に反応して怒り狂うグリフィス親父。

 そう、彼らは知っていた。実は義母ショーの姉も魔法学校に入学して魔法使いとなり、やはり魔法使いの男と結婚してハリー・ポッター=ラドクリフが生まれたのだった。そしてポッター=ラドクリフが自動車事故で死んだと教えられていた両親だったが、本当のところそれはある忌まわしい事件によるものらしい。ともかくグリフィス&ショー夫妻はこの姉夫婦を化け物扱いして毛嫌いし、だからポッター=ラドクリフも冷遇したというわけだ。

 それならこんな家には用はない。ポッター=ラドクリフはハグリッド=コルトレーンと共に、このクソいまいましい家を後にした。

 ロンドンに着いた二人はここで魔法学校入学のための備品を購入することになるが、必要なものというのが魔法のホウキだとかフクロウだとかとんでもないものばかり。一体そうやってそんな品々を調達するのかと思ったら、秘密の入口から別のロンドンの街に入り込んだ。なるほど新宿歌舞伎町も一歩裏通りに入れば別の顔がある。ここは裏ロンドン、魔法の街なのだ。

 だけどモノを買う金がない。地獄の沙汰も金次第。するとハグリッド=コルトレーンは、ポッター=ラドクリフを銀行に連れていった。不思議な魔法銀行の金庫には、ポッター=ラドクリフの両親が貯め込んでおいてくれてた財産がたんまりあった。そしてハグリッド=コルトレーンはついでに別の金庫から何か大事なものを取り出してきたが、それが何かはポッター=ラドクリフがいくら尋ねても教えてはくれなかった。

 ここでいろんな店に入るポッター=ラドクリフだが、この裏の世界じゃ自分がかなりの有名人と知って驚く。魔法の杖を買いに行けば、店の主人エレファントマンことジョン・ハートが恭しく出迎える。そして彼にピッタリの杖を渡すと、彼の秘密を打ち明けてくれた。

 この杖と兄弟の杖を持っている男がいる。それは恐ろしい悪の魔法使いだ。それがあなたの額の傷をつけた。

 そう。言い忘れたがポッター=ラドクリフの額には不思議な傷がある。これぞ魔法界の旗本退屈男たる証明だったのだ。ポッター=ラドクリフはハグリッド=コルトレーンに、なぜ自分が魔法界退屈男なのか問わずにいられなかった。

 それは悪い魔法に魅せられて魔法界支配を狙った男。その名は怖くて言えないが、実はヴォルデモートという男がその仇の名だ。そしてそれに刃向かったポッターの両親を殺した。だが、その場にいたポッター自身はなぜか殺すことが出来なかった。その後、この悪の魔法使いの力が衰え、どこかに身を隠すことになった。だからポッター=ラドクリフは魔法界のヒーロー=退屈男なのだ。

 さていよいよロンドン駅から出発となったポッター=ラドクリフ。ここでハグリッド=コルトレーンとも一時のお別れ。どこから出発するのかまごついていると、やはり魔法使いの子供たちを多く抱えたジュリー・ウォルターズが親切に教えてくれた。さすが「リトル・ダンサー」でも子供の面倒見がよかったウォルターズ。そして今回めでたく魔法学校に入学となった末っ子のロン・ウィーズリー=ルパート・グリントが旅のお供となったわけ。こいつがちょっと抜けてるがなかなか気のいい奴で、車中で知り合ったハーマイオニー・グレンジャー=エマ・ワトソンはちょっと高慢ちきな女の子だったが、 友達のいなかったポッター=ラドクリフには楽しい道中だった。

 さて、問題の魔法学校はというと崖っぷちにそそり立つ巨大な古城がその校舎。集まったガキどもの間でもポッター=ラドクリフはちょっとした有名人で、それを聞きつけて近づく奴もいる。ガキのくせにオールバックのいいとこのガキ、ドラコ・マルフォイことトム・フェルトンもそんな一人。いい奴ロン=グリントと一緒のポッター=ラドクリフに、そんな凡人とつき合ってちゃダメだ、俺みたいな代々外務省に勤めてるいい家柄の奴とつき合わなきゃ…と大きなお世話のアドバイスだ。だがポッター=ラドクリフは動じない。大体外務省の奴はみんなに嫌われてるよ。

 魔法学校の生徒はみんな隣接する寮に暮らすことになる。ガキどもはそれぞれ選別され、4つの寮のどれかに入ることになるわけだ。ポッター=ラドクリフはめでたくロン=グリントやハーマイオニー=ワトソンと同じ「グリフィンドール」寮に、あのマルフォイ=フェルトンは第7サティアンならぬ「スリザリン」に入ることになった。この「スリザリン」、代々使い込みで知られる外務省や狂牛病を放置した農林水産省、薬害エイズでおなじみ厚生省などの高級官僚どもを生んだ悪名高い寮。なるほどあいつらロクな魔法を使ってない。ポッター=ラドクリフもこいつらとは一緒になりたくなかったね。

 さて楽しい学校生活が始まった。校長は冒頭にも出てきたダンブルドアことリチャード・ハリス先生。黒猫に化けるマクゴナガル先生ことマギー・スミスも冒頭に出てきたね。どこでも「あのポッター」と一目置いてくれるけど、唯一の例外が魔法薬担当のスネイブ先生ことアラン・リックマン。最初からポッター=ラドクリフに冷たく当たる。

 「有名だからと言っても、中身が伴わなければ大したことない。メガネなんかかけてマイクロソフトのボスに似てるとか思って威張ってるんじゃないのか」

 ポッター=ラドクリフの方もこいつ魔法薬とか言って、昔ミドリ十字にいたんじゃないかと第一印象から最悪。

 そして、フーチ先生ことゾーイ・ワナメイカーはホウキによる飛行訓練担当。まずは地面に置いたホウキに「アップ!」と声をかけるのが第一歩。これでホウキがバンと立ち上がって、その柄を手で握りしめられれば及第だ。ポッター=ラドクリフは「アップ!」の第一声でホウキが立ち上がる優秀さだが、ロン=グリントはいくら声をかけてもなかなか上がらず難儀する。いや〜分かるよその気持ち。男なら誰でも、ここぞという時に一生懸命「アップ!アップ!」と声をかけているのに立ち上がらない経験ってあるよな。その点、ハーマイオニー=ワトソンは一発で「アップ」させてた。君って意外にテクニシャンだねぇ、誰に教わったの? 女があまりうまいと男は不安になるぜ。

 ここでもマルフォイ=フェルトンは、またまたポッター=ラドクリフにケンカを売ってくる。売られたケンカは買わなきゃ男じゃない。何と飛行訓練初日に先生の目を盗んでの空中戦だ。

 これをたまたま見ていたマクゴナガル=スミス先生は目を細めた。あの子は有望だわ、毎年恒例のクィディッチの試合で、あの子を「グリフィンドール」チームのシーカーに選抜しましょう。…これだけ聞くと何のことだか分からないが、これについてはまた後で。

 ある日、夜中に学校内をうろついているポッター=ラドクリフ、ロン=グリント、ハーマイオニー=ワトソンの三人組。すると妙な部屋に出くわした。何だかヤバい予感。中には頭が三つもある巨大な猛犬がいて、命からがら逃げ出すハメになった。あんたたちにつき合ってるとロクな事ないわとの捨て台詞を吐くハーマイオニー=ワトソンに、さすがのいい奴ロン=グリントもちょっとカチンとくる。だが、彼らはその時、この猛犬が何かの扉を守っていた番犬だったことに気づいてはいた。

 さらに別の授業でもハーマイオニー=ワトソンにテクを皮肉られたロン=グリントは、ますます頭に来る。男は女にテクニックのことで文句言われると、これは頭に来るんですよ。図星ならなおのこと。で、彼はさすがに辛抱たまらずイヤミを一言。「テクニックばかりで愛がなきゃね! あいつ、セックスフレンドはいても友達なんかいねえんじゃねえの?」…おいおい、おじさんが若い頃は友達はいたけどセックスはなかなかやらせてもらえなかったぜぇ(涙)。

 これにはハーマイオニー=ワトソンも傷ついた。私だって、私だって、テクニックあるけど全部耳年増なのよぉぉぉぉ〜。泣いて地下のトイレに閉じこもったと聞いて、ポッター=ラドクリフもロン=グリントも内心穏やかではない。童貞坊やがアッチのことで女泣かしちゃいけねえな。

 ところが突然大騒ぎ。「ていへんでぇ〜ていへんでぇ〜」と銭形平次一の子分・八ならぬ魔法学校随一の弱気先生、頭にターバン巻いたユニークなセンスのクィレル=イアン・ハート先生がドタバタとやって来る。聞けば、地下から巨大な怪物トロールが学校内に侵入したとか。それだけ言い残すとクィレル=ハート先生はバッタリ気絶する情けなさ。緊急事態に全校生徒は避難することになったが、ハーマイオニー=ワトソンはまだ地下のトイレのはず。やばい!

 あわてて女子トイレに駆けつけるポッター=ラドクリフとロン=グリント。まさかドサクサに紛れて女子トイレに侵入してウヒヒ…なんてことは考えてないだろうな。いや、そんな余裕なんてない。今まさに巨人トロールが大暴れで、女子トイレを仕掛けてある盗撮カメラもろともブチ壊し始めたところ。ハーマイオニー=ワトソンもあわててハロー・キティのパンツを上げると、あっちこっち隠れながら絶体絶命だ。

 ポッター=ラドクリフは、思わず自分の杖をトロールのイチモツの先端のアソコにズブッと突っ込んだ。

 いってってててて…ナニするんだこのガキッ!

 ますます大暴れでポッター=ラドクリフをつかんで振り回すトロール。だが今回はロン=グリントのへっぽこ魔法がモノをいって、めでたく怪物を仕留めることが出来た。

 そこに駆けつけた先生方は、この巨大な怪物を三人組が仕留めたというのに驚いたものの、勝手をするなとお灸を据えたことは言うまでもない。ポッター=ラドクリフの杖をアソコから引っこ抜くと、怪物のナニがドロドロっとついててイカ臭いことこの上なしと散々。だがその時にやって来たスネイブ=リックマン先生の服が裂けていて、血を流していたことは見逃さなかった。怪しい。怪物をおびき出したのはスネイブ=リックマン先生じゃないのか? ま、ともあれこの一件で、三人はより仲良くなった。ハーマイオニー=ワトソンも、男はやっぱりナニが弱点とマメ知識が増えた。

 さて、いよいよ全校生徒注目のクィディッチ試合の日がやって来た。

 クィディッチってのは魔法の力を使い、3種のボールを使って戦う空中サッカーみたいなもの。毎年これの試合を4つの寮の選抜チームで戦う習わしだ。その選抜チームにポッター=ラドクリフが選ばれたってわけ。ちなみにシーカーってのはこのゲームの花形ポジションらしい。

 さて、早速その試合の日。「グリフィンドール」対「スリザリン」戦。オ〜レ〜オレオレオレ〜!

 早速「グリフィンドール」がゴールを決めました。ゴォ〜ル、ゴ〜ルゴ〜ルゴ〜ルゴ〜ルゴ〜ルゴ〜ルゴ〜ルゴ〜ル、ゴォォォ〜ルッってうるせえな、誰だシドニー五輪の実況アナ連れてきた奴は?

 ところがさすが高級官僚チームの「スリザリン」、ありとあらゆる汚い手を使って攻めてきた。先手をとっていた「グリフィンドール」はたちまち劣勢。しかも肝心のポッター=ラドクリフはというと、なぜかホウキの操縦が出来ずに空中でもがいていた。なぜだ?

 ロン=グリントが観客席を見ると、例のスネイブ=リックマン先生が一心不乱に呪文を唱えているではないか。あいつの仕業か! ハーマイオニー=ワトソンは観客席の下に潜り込むと、スネイブ=リックマン先生の服に火を付けた。まったくこの子は火遊びが好きだね。

 あっちっち! 観客席は騒然。その隙に体制を立て直すポッター=ラドクリフは、やりたい放題の「スリザリン」チームに宣戦布告だ。こうなったらおとなしくしてられない。

 ゴー・アヘッド、メイク・マイ・デイ!

 俺を誰だと思ってる? サンフランシスコ市警一のコワモテ、ダーティー・ハリー・ポッターだ!

 肝心のマグナムはまだ皮かむりながら、ハリー・ポッター=ラドクリフがダーティーにプレイして、チームを勝利に導いたのは言うまでもない。

 そんなある日のこと、ロン=グリントの元に愛読紙「恐怖新聞」が届いた。ポッター=ラドクリフが見ると、例の魔法銀行に強盗が入ったとか。一体誰がナニを狙ったのか? まさか、あのハグリッド=コルトレーンが後生大事に引き取った、謎の品物が狙われたのか? そしてその品物はどこに行ったのか? 気のいいハグリッド=コルトレーンがついついポロリと漏らしたところでは、例の三つ頭の猛犬はハグリッド=コルトレーンがもらってきて、あそこに飼っているとのこと。ならば番犬として、大事なものを守らせているんだ。するとあの猛犬の部屋の隠し扉には、例の謎の品物が隠されているのでは? では、その品物とは何か?

 ハグリッド=コルトレーンがついついポロポロ漏らしたキーワードから調べてみるとことになった。被ると透明になるマントを手に入れたポッター=ラドクリフは、立ち入り禁止の秘密の書斎に忍び込む。ところが途中でスネイブ=リックマン先生が、あの気弱で知られるクィレルことイアン・ハート先生を問いつめているところにバッタリ出くわしてしまった。スネイブ=リックマン先生はハート先生の胸ぐらつかんでこう言った。

 「あっち側かこっち側かどちらにつくんだ!」

 一体スネイブ=リックマン先生は、タリバンに報復の空爆でもやらかそうというのか。こんな事を他人の胸ぐらつかんで聞くような奴は、例えアメリカ大統領だろうとロクな奴じゃない。ますますもって怪しい。何とかその場を逃れたポッター=ラドクリフが別の部屋に入ると、そこにはでかい鏡が置いてあった。これは何だ? テクマクマヤコンとか呪文を唱えるのかと覗いてみると…。

 その鏡には…何と自分の姿と一緒に、あんなに会いたかった両親の姿が映し出されているではないか!

 これに病みつきになって連日この部屋に通いつめ、両親の姿と対面するポッター=ラドクリフ。しかし、そこにある日、あのダンブルドア=ハリス校長がやって来た。

 それは「みぞの鏡」と言うんじゃ。

 それは自分が一番強く願っているものが映る。だから満ち足りている者には、ただの自分の姿しか見えない。心の奥底の願いを、実際にあるように見ることが出来るのは心地よい。だが、これはまた怖い鏡でもある。それに人はしばしば溺れてしまう。そして足下をすくわれる。この鏡は、決して真実を与えてくれるものではないのだ…。

 やがて鏡はこの部屋から持ち出されて、どこかに運び出されてしまった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後は映画を見てから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

賢者の石を狙う者とは?

 そのうちポッター=ラドクリフたちは、学校に持ち込まれたお宝の正体が「賢者の石」というシロモノだと突き止める。ケンちゃんの石? あの洗濯屋ケンちゃん? 童貞のくせにアッチの事で頭がいっぱいのロン=グリントはすかさずツッコミを入れるのを忘れない。そっか〜、石みたいに固いのか〜。おい、ロンよ。俺にとってはそれはもう遠い日の思い出だよ(涙)。

 童貞坊やと耳年増お嬢ちゃんは、夜中だというのにハグリッド=コルトレーンの住まいに押しかけ、相談に及ぶ。するとハグリッド=コルトレーンは人からもらったというドラゴンの卵を暖めていた。

 「俺、昔からドラゴン飼いたいと思ってたんだ〜」

 パカッと割れた卵から生まれたのは、ちっちゃいちっちゃいドラゴンの子供。かわい〜とハグリッド=コルトレーンが手を出すと、いきなりアチャ〜と怪鳥音を発してキックが飛んだ

 「この黄色いトレーニングウェアから見て、『死亡遊戯』のドラゴンだな」とロン=グリント。こいつ肝心の魔法はてんでダメだが、こんな雑学にはやけに詳しい。

 それはそうと賢者の石だ。ハグリッド=コルトレーンは子供たちがお宝を賢者の石と突き止めたことも驚いたが、それをスネイブ=リックマン先生が狙ってるという推理にはさらにビックリ。そんなはずはないと強く否定する。ところが間の悪いことに、そんなところをあのマルフォイ=フェルトンに見つかった。当然のごとく奴にチクられ、夜中に無断で外出したとマクゴナガル=スミス先生に絞られることになる。ところがマルフォイ=フェルトンもそれを見たのだから夜中外出は同罪。このへんは所詮ガキの浅知恵だね。罰としてこの深夜、近所の暗い森に見回りに行かされることになった。

 ところがこの夜、森ではちょっとした事件があった。天然記念物のユニコーンが殺されたのだ。だれかユニコーンの生き血をすすっている者がいる。これで近所の猫が殺されでもしてたら、また第二の酒鬼薔薇事件発生か? みんなで手分けして調べることになったが、途中でマルフォイ=フェルトンはビビって逃げだし、たまたまポッター=ラドクリフ一人になったところに迫ってきた黒い影…。助けが入って事なきを得たものの、ますますあのスネイブ=リックマン先生への疑惑を深めるポッター=ラドクリフたちだった。

 しかもその後たまたまコルトレーンが、例のお宝の三ツ頭番犬の手なづけ方を飲み屋で誰かに教えちゃったと知ったポッター=ラドクリフ。賢者の石が危ない! 案の定、三人組が例の番犬の部屋に入ってみると、三ツ頭はすやすや眠っているではないか。さっそく隠し扉から中に入っていく三人組。中には部屋また部屋。生きたツタにぐいぐい絞め殺されそうになったり、羽根が生えて飛んでるカギに襲われたりしながら、どんどん奥に入っていくと、でかいチェス盤の部屋にやってきた。ここではチェスをやって勝たないと先に進めない。三人組は自分たちもチェスのコマになって勝負を挑んだ。指し手はあの頼りないロン=グリントだ。こいつで大丈夫なのか? 大丈夫! 遊びとアッチの雑学は俺のシマだぜ。

 だがこのチェスは過激。とられたコマは敵のコマに剣でブッ壊される。勝負が進むにつれてじゃんじゃんブッ壊されるコマたち。そしてついに、次の一手でロン=グリントがまたがる騎士のコマもやられる瀬戸際まで来た。どうする? そこでそれまで情けなかったロン=グリントが、毅然と言い放ったんだね。

 「ポッター、君は先に行かなきゃいけないんだ。俺でも彼女でもない、君だ!

 そうして敵に倒されるロン=グリント。やるじゃないか、君は本当の男だな。それまで断固とした改革だとか毅然とした態度とかカッコばかりつけて、変なとこで近隣の国にはコワモテづらを見せて神経逆なでしながら、アメリカにだけはオベンチャラ使ってヘイコラしてる奴なんかと大違いだ。真の勇者は君だ!

 仲間の献身的犠牲を無にするなかれ。ポッター=ラドクリフはさらに奥へとやってきた。するとそこにはあの「みその鏡」が! そしてそこに立っていたのは、何と弱虫とばかり侮っていた、あのクィレル=イアン・ハート先生じゃないか!

 「わははは、学校一の弱虫先生が、よもや悪党とは誰も思うまい

 何とスネイブ=リックマン先生はイヤな奴だけどワルじゃなかった。「ダイ・ハード」以来の悪党イメージに惑わされてた。あの試合の時の呪文も、別の場所から悪い呪文を唱えてたクィレル=ハート先生に対抗するためにやっていたことだとか。あぁ、何で人は外見にだまされるのかね? そうでなければ、俺だってあの日あの女にダマされることもなかったろうに。

 「さぁ! 石はどこにある?

 そんな事こっちが知りたいと思ったポッター=ラドクリフだが、敵はそう思ってなかった。そしてターバンをゆっくり解くと、そのハゲ頭の後頭部を見せた。そこには…!

 何と! クィレル=ハート先生の頭の裏側には別の顔が! その邪悪な顔こそ、ポッター=ラドクリフの宿敵=ヴォルデモートに他ならない。奴は力が弱まり、他者に寄生しないと自分では何も出来ない体になってしまっていた。だが、あの賢者の石さえあれば…。ヴォルデモートはポッター=ラドクリフに鏡を見よと命じた。今、心から賢者の石を手に入れたがってるポッター=ラドクリフならば、鏡にはそれを手に入れたポッターが映る。つまりどこにそれがあるかが分かるはずだ。

 見まいと思っても体がいうことをきかない。イヤイヤ見ることになった鏡には、自分のポケットに賢者の石を忍ばせているポッター=ラドクリフの姿が、こっそり手を伸ばせば、なぜか本当に賢者の石がポケットの中に入っているではないか!

 「何が見える! 言ってみよ」

 あくまでシラを切ろうとするポッター=ラドクリフに、ヴォルデモートは拒み難い誘惑を仕掛けてきた。俺に従って石のありかを教えれば、おまえの両親を戻してやることだって出来るんだ。ポッター=ラドクリフが鏡を見ると、鏡には彼の両親の姿が映る。

 両親に会いたい。両親をこの手に取り戻したい。心からの熱望がわき上がり、苦しい葛藤にさいなまれるポッター=ラドクリフ。その時…。

 「しっかりしろ、ポッター!」

 ヴォルデモートには見えないが、ある男がゆっくりポッターの元に歩み寄ってきた。ギターを持った長髪のその男、彼の名は…。

 「僕を知っているかい、ジョージ・ハリスンだ」

 ジョージ…所ジョージなら知っているが…と訝しげに見つめるポッター=ラドクリフに、ジョージは思わず苦笑した。

 「君の歳なら知らないのも無理はない。元ビートルズのメンバーと言えば分かるかな。実はつい先日天に召されたんだけどね」

 「何やってる? 誰と話してるんだポッター?」と焦り狂うヴォルデモート。

 ジョージと名乗るその男は、ポッターにゆっくり語り始めた。昔、ビートルズという人気グループにいた時、自分はジョンとポールという天才的なメンバーの下でコンプレックスに悩んでいた。そこから逃れるためにインド音楽に凝ったりいろいろやって、結局努力の末に自力で「サムシング」を書いて認められたけど、そこでビートルズの命運は尽きてしまった。ビートルズ解散後はちょっとソロで売れたけど、すぐに苦境がやって来た。唯一のソロ・ヒット「マイ・スウィート・ロード」は盗作だと訴えられるし、ツアーをやればノドがつぶれて散々だったし、女房は親友のクラプトンに寝取られるし、野菜ばっか食って健康に気を付けてたのにガンになった。でも、僕は悔やんでなんかいない。ジョンやポールと違って、例え後世に残るのが「サムシング」たった一曲だけだったとしてもいい。シナトラに最高のバラードだと言ってもらっただけで僕は満足だ。僕は精一杯やった。誰にも負けないくらい頑張った。君も空しい夢にすがるな、空疎な夢に溺れるな、過ぎたことを引きずるな、現実の中で戦え…

 それだけ言い残すと、ジョージ・ハリスンはギターを抱えたままゆっくりと消えていった。

 「どうした? 両親と暮らしたくないのか!」とヴォルデモートはわめく。

 苦しい胸の内を払いのけると、ポッター=ラドクリフはヴォルデモートに向き直って言い放った。

 「例え何があろうとも、賢者の石をおまえなんかにやるもんか!

 

夢には溺れていたいけど

 この世界的ベストセラーを僕は読んでいないんだよね。

 実は本だけはずいぶん前に買ってあった。この本の評判は日本語訳が出る前から聞いていたからね。僕は子供の頃からナルニア国ものがたりシリーズなどのファンタジー小説が好きで、このハリー・ポッター・シリーズがそれらファンタジー名作と並び称されているのを知って、ぜひとも読みたいものだと熱望していたんだ。

 だけど本を手にしたとたん、なぜか読む気が失せた。昔、僕が熱中して読んだそれらファンタジーは、すべて岩波書店の子供の本として世に出ていた。本の装丁も活字の書体も独特なそれらの本。しかし当然別の出版社から出ていたハリー・ポッターはそれらとは違った香りを発散させていた。そこに何とも言えない違和感を感じていたんだね。

 で、結果的に映画で触れることになったハリー・ポッター。その監督はと言うと、クリス・コロンバスが当たっている。

 この人、キャリアはやたら長い。その発端はと言うと、スピルバーグの下で「グレムリン」「ヤング・シャーロック」などの脚本を書いていた頃に遡る。この時はミニ・スピルバーグみたいな印象があり、しかも発想はいいんだけど結果的に腰砕け的な作品が多くて、ちょっとイマイチの印象があったんだね。唯一の例外は「グーニーズ」で、これはこの人の(スピルバーグの、かもしれないが)子供心がうまく活かされ、楽しい作品になっていた。その後、「ベビーシッター・アドベンチャー」で監督デビューするが、これはなかなか楽しい作品で彼を見直した。その後、今度はジョン・ヒューズと組んで「ホーム・アローン」でヒットをかっ飛ばしたのは記憶に新しいところだ。

 確かに子供心のアドベンチャー・コメディに持ち味発揮する人で、一見ハリー・ポッター映画に格好の人物と言えなくもないが、ちょっと一抹の不安もあったんだね。イギリス製のファンタジー文学に特有の深みや陰りといったものが、果たして単純明快アメリカンな味のコロンバスに再現し切れるか。そしてジョン・ヒューズの下にいた悪影響で、若い奴やガキを甘やかし媚びる作風が身についていないか(「ホーム・アローン」も続編になると、その傾向がかなり顕著だった)。

 結果から言うと、その心配は杞憂に終わったようだ。脇に重厚な英国ベテラン俳優陣を配して、彼らの味に助けられたか、なかなかにコクのあるファンタジー映画になっている。ディティールも凝っていて、決してノーテンキなアメリカン子供映画には逸していない。これは原作のおかげかどうか分からないが、少なくともこういう映画を一度でもモノにすることが出来ただけでも、コロンバスとしては作家的成長ではないか

 特に最近は「グッドナイト・ムーン」など、多少陰影に富んだ作品をつくろうと試みていた気配がある。もっともそれらもあまり成功しているとは言い難かったんで、僕は今回の出来を心配していたんだけどね。何とか彼はやりこなしたようだ。

 お話としては見せ場満載で次から次へとファンタジーならではの面白さが詰まっている。ハリー・ポッター本を手にした時には激しい違和感を抱いたこの僕も、この映画には久しぶりにあの岩波の子供の本と共通する香りをかぎ取ったよ。とにかくファンタジーならではの趣向が、陰影の部分も忘れずにこれでもかこれでもかと盛り込まれている。これは原作を読んでいないからしかとは分からないが、原作に詰まっているエピソードを出来るだけ割愛しないように心がけた結果ではないか。だからファンタジー好きには楽しさは格別。だが、やはり2時間半の映画にギューヅメにしたためか、どうしても話の焦点が見えにくい。やはり映画作品としては核となる部分がわかりにくくなってしまったと言えば、ないものねだりだろうか。まぁ、世界的ベストセラーで絶大なファンを抱える本の映画化としては仕方のないことかもしれない。それに今回は人物紹介編でもあったのだから、これはこれでいいのかも。

 そしてヤマ場となるヴォルデモートとの対決は、かなりポッターの心理的葛藤を基本に置いた戦いとなっているし、彼を守ったのが「母の愛」だったというオチもついているため、単純に映画だけ見ると分かりにくいものとなっている。まぁ、僕としてはコロンバスが最大限映画としての見せ場にしようと苦闘したフシが見受けられると思うが、みなさんはいかがだろうか?

 俳優陣は脇を中心に、さすがにいずれも持ち味を活かしている。クセ者イアン・ハートが単純な役柄に終わるまいと思いきや果たしてそうで、これには嬉しくなった。アラン・リックマンも今まで培ってきたイメージが活かされていて、これまた嬉しい。もうちょっと出番があれば…というところが残念だが。そして、僕が一番嬉しかったのがリチャード・ハリスの校長。この味わい深さはやはり長いキャリアとスター・イメージの賜物だね。「グラディエーター」の小さな役と並んで、やはりオイシイところをかっさらっていたのが見事だ。

 この映画のどこを作品の「核」と見なせばいいのかと言うと難しいが、僕には「みぞの鏡」のくだりが一番興味深かった。実は最初の頃こそツラい思いをしている孤児ポッターなのだが、物語の中盤から魔法界の有名人としてアイデンティティーも確立、やる事なす事うまくいく。すると正直言って彼のキャラクターは急速に面白味を失っちゃうんだよね。だってドラマの主人公が屈託なくって葛藤も忍耐も苦悩もなかったら、それはどうしたってパッとしないだろう? ところがそのあたりで、例の「みぞの鏡」が登場するわけ。観客は再びポッターのダーク・サイドを思い起こされ、キャラに緊張感が戻ってくるんだね。

 自分の熱望する「夢」が見える鏡。人はいつまでもその「夢」を見ていたいと願う。それに溺れる者もいる。だが、それは決して現実と立ち向かう力にはなり得ない。この「ハリー・ポッター」は何と「夢」に溺れることを拒否する「ファンタジー」なんだね! これには驚いたし、正直言って耳が痛かった。僕にもどこかそんな「夢」に、いつまでも溺れていたい気がないわけではない。そんな甘えを、まさかこんな魔法が出てくるおとぎ話に指摘されるとは思ってもいなかったからね。…そう、夢はいつかは終わる。 夢には必ず限界があるのだから。それでも…それだからこそ人生は美しい。

 

 ともかく…ジョージ、いろいろとありがとう。そしてお疲れさま。あなたの人生はいろいろな事がありすぎるほどあったけど、それももう今は昔。  

 どうかこれからは安らかに眠ってください。

 

 

 

夫馬 信一(映画館主・F)

早くから構想していながらなかなかまとまらず、ようやく実施2週間前に具体化した本企画。そのため協力してくださったみなさんに多大な迷惑をおかけしました。この場を借りてお詫びするとともに、あわせて深くお礼を申しあげたいと思います。

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