A. I.

「エイアイ」でなく「アイ」と読め

A. I. - Artificial Intelligence


プロローグ「愛ってなんだろう」(笑)

 

 これって天地真理の歌のタイトルだったっけ? それとも、彼女が主演の松竹映画のタイトルだったっけかな。まだ天地真理が「白雪姫」みたいな格好をして、フリフリなアイドルしていた頃のお話だ。

 この時代のアイドルって、今のアイドルみたいに自らの性体験を週刊ポストで赤裸々に語ることもなければ、ウンコだってオシッコだってしてないことになっていた。それがどうだ。今は2年も待てばほとんど誰でもキッチリとヘアヌードになってくれる。ハッキリここで予言させてもらうけれど、元SPEEDのうち誰かは2年以内に脱ぐと見た。元モーニング娘なら1年以内はカタいね。実際こう言っては何だが、脱ぐしか他に道がない連中がゴロゴロしているんだから。おまけに今じゃ現役アイドルだって、スポーンとビーチクも出す毛だって出す。あるいは奥菜恵みたいに、昔付き合ってたオトコが過去のいろいろ暴露してくれるもんな。

 だけど、この時代のアイドルたちはそんな肉体的な汗の匂いすら希薄だったんだよ。だから、この子たちの歌ってる「愛」だの「恋」だのって幼稚と言うよりほとんど抽象概念だったね。哲学的と言えるかもしれない(笑)。

 この「愛ってなに?」というテーマ、有史以前より古今東西でこれに挑んだ哲学者、文学者、芸術家、科学者たちは数知れず。天地真理もそれら錚々たるメンバーのリストに名を連ねているのか。確かに浮き沈みの激しい芸能界を生きて、きれい可愛いのアイドルちゃんから果てはヌードにもなりポルノ映画にも出演した彼女、結婚も出産も経験した今ならこの問いを発するに値する人なのかもしれないねぇ。かようにこの問いの意味するものは重い。

 人類史上その問いに答えるために費やされた言葉は、一体何万語になるのだろう。あるいはどれくらいの絵画や彫刻、音楽が創られたことだろう。物事すべてシンプルだった昔ならいざ知らず、社会が複雑化してさまざまな記号や記憶が蓄積した今日では、本来一行で済んだものでも数ページ、数十ページを費やさねば語り尽くせない有様だ。まして「人殺しはなぜ悪いか」などと自明のことも子供にわざわざ教えなければならないご時勢だ。こんな人間の根本に関わることを語ることに、いささかの無力感を感じない人はいないだろう。

 そんな新世紀始まったばかりの今、映画界を代表する…しかし極めて対照的なポジションにいる二人の映画人から、上記の問いがまたもや発せられたとするならば、これは注目に値すると言っていいのではないか? 一人は完全主義で知られる映画界の巨人=故・スタンリー・キューブリック、もう一人は商業主義の権化ハリウッドの覇者=スティーブン・スピルバーグ。その問いとおぼしきは、彼らが最初で最後に組んだ作品「A. I.」だ。

 果たしてこの二人はいかなるかたちでこの問いを発したのか? そして、それに対する答えはいかなるものだったのか?

 そもそも彼らは、そのような問いをここで発していたのかどうか? 

 

 

 

 次ページへつづく

 To Be Continued...

 

 


 

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