「ホワイトアウト」

  Whiteout

 (2000/09/04)


ホントは毎度毎度言いたくないんだけど

 この不景気に大ヒット作。それも、数ある外国映画を後目に日本映画の新作が大健闘とは、まことめでたい限り。しかし、いつもいつもグチたれてるようで申し訳ないが、日本映画にはダマされることが多い…時に娯楽映画では危ない…ので、この作品については半信半疑だったんだよね。主演は「踊る大捜査線」も大ヒットした織田裕二。ふ〜ん、織田裕二ねぇ。全然盛り上がってこない。ヒロイン松嶋菜々子。俺、ファンには悪いんだけどこの女キライなんだよね。それに何かテレビドラマみたいなキャスティングだし。原作が評判になってたのは知っているものの、なおさらそんなもの日本で映画化できるのかよと疑ってかかってしまった。さっきテレビドラマと書いたけれど、監督もテレビドラマからきた奴でフィルム撮っていなかった男。製作にはアホバカ尻軽女子アナ量産工場のフジテレビがからんでるとくれば、ロクでもない映画の条件は揃いすぎるほど揃ってる。これは映画見ないでも感想文書ける。というより、一部のネット映画マニアなんかそうやってるんじゃないの。最初から映画見ないでケナすと決めてかかって。いわく、原作の面白さぶちこわし、主役に魅力なし、演出がなってない、出来がチャチ…てなことは、実際の作品見てなくても小学生だって書けるよね。大体こんなとこじゃないかって。で、実際かなりのネット上の映画ファンどもの感想文なんてそのレベルでね、ハッキリ言って読むのも愚劣でその手のは極力僕は読んでないよ。読むとバカになりそうだし。

 洋画ファンは邦画というだけでバカにする。邦画ファンは作家映画じゃなくて娯楽映画だからバカにする。一般的に映画ファンというものはヒット映画をバカにする。原作読んだ奴は原作と違うとバカにする。そもそも織田裕二に松嶋菜々子、テレビドラマの監督にフジテレビと言えば、バカにしないほうがおかしいか。こう言っては邦画ファンは逆上するだろうし、いささか極論に過ぎるかもしれないが、日本映画って映画の出来うんぬんのレベルではなく、見てて恥ずかしいか否か、普通に社会生活を営んでいる人間の知的レベルに達しているか否かを問わねばならないとことがツラいのだ。どうも日本の映画づくりに携わる人たちって現実の普通の人間社会から遊離しちゃってて、一般の映画見る人々の常識レベルと違っているんじゃないか。現実的に言えば今時、大半の映画好きって世の中では浮いてます。それに映画は生活必需品じゃなくなってて、なくてもいいものなんだよね。

 まして日本映画の場合、身内びいきでホメたり、逆に必要以上にコキ下ろしたり…をせずに評価するのは難しい。実際それが出来てる映画ファンって、ネット上でもごくわずかだと思うんだね。現に日本映画の感想文書くたびに、イチャモンつけてくる奴が後を絶たないんだもの。だからイヤなんだよ。

 …と言う訳で、ここはこの映画をもったいつけてケナしておくほうが得策か。もっともらしく言って煙幕張ることだって、若い奴らよりは口がたつから言い張れる自信はあるし(笑)。他のネット映画ファン連中みたいにケナしてもっともらしい顔すれば、俺のプライドも守れるしな…。ケッ! 俺が映画評論家きどりの半可通のネット映画ファンと同じようなことすると思ってんのかよ? 俺はそんな輩とは違うんだよ(笑)。

 単刀直入に言おう。実は、意外とこの映画面白いんだよ。

 

落ち込んじゃった男がテロリストに遭遇して

 雪深い山ん中にど〜んとそびえ立つ巨大なダム。ここの職員の富樫(織田裕二)って、みんなに好かれてはいるみたいだけど、スタンドプレーっつーか余計なことにクビつっこむの好きみたい。今日も今日とて専門外のダムの壁面の修理なんかを、雪山登山用のザイルに身をくくりつけてぶら下がり、コツコツとやってて顰蹙かったりする。まぁ大きなお世話なんだけど、俺は何でもできるんだぞって言いたい訳ね。雪で閉鎖中の近くのスキー場に遭難者がいるみたいとなれば、同僚の吉岡(石黒賢)を誘って助けに行くマメな男でもある。そのぶん、たぶんこういう男って自分の本業はやってないはずだよな。釣りバカのハマちゃんみたい。釣りバカならぬ雪バカ(笑)。

 ところが遭難者救助の途中で吉岡が負傷。富樫が一人で応援を呼びに行くが、途中ホワイトアウトと言われるガスと雪で視界がゼロになる現象に襲われ立ち往生。これで助けを呼びに行けず、富樫は助かるが吉岡は死んでしまう。うわ〜俺のせいだよ〜。あれだけマメで元気だった富樫は意気消沈。雪バカが今じゃただのバカ。

 そんな吉岡には婚約者の千晶がいた。霊安室に安置された彼の亡骸を見て呆然の彼女。演じる松嶋菜々子は、彼女のファンの方には申し訳ないがあまり私の好きな女優さんではない。しかも心なしかこの映画では、オタフク顔のブスに写ってるような気がするのは僕だけだろうか(笑)?

 婚約者が死んでも釈然としない千晶は、自分に納得させるためにも問題のダムを訪れることにする。しかし、こんな目的じゃ来られるほうも憂鬱になりそう。そう、彼女は富樫に思い切り逆恨みしてやってくるのであった。おのれ織田裕二てめぇ〜歯ばっかり妙に白くてサワヤカぶりやがってこの腰抜けが〜。

 ところが、何だか得たいの知れないローカルテレビの中継車がやってくるわ、山から訳わからん連中がやってくるわ、ダムに近づく不審な一団。あっと言う間にダムは占拠される。

 迎えにきた人(平田満)の車の中で吉岡のネーム入りジャンパーを渡され感慨にふける千晶も、ダムに通じるトンネルの中でこの一団に遭遇。迎えの人は撃ち殺され千晶も連れて行かれる。でも、あんなに大切なはずの吉岡ジャンパーはその場にほったらかし。「タイタニック」でカチンコチンに凍ったディカプリオの死体を惜しげもなく沈めて自分は助かろうとしたケイト・ウィンスレット並みの薄情さ。千晶、おまえ意外と冷てえ女だな〜(笑)?

 ダムの制御室に偉そうに登場するのは、ルナ・パパならぬテロリスト集団「赤い月」のリーダー宇津木(佐藤浩市)。そう言えばみんな黙ってるけど、「ルナ・パパ」って本当はつまんないよね。いい映画ふうに見えるから誰も言えないけど。ミニシアターの映画ってケナすとマズそうな雰囲気でさ、ミソもクソもみんな傑作みたいなふりしちゃって。代わりに俺が大声で言ってあげるよ(笑)。第一、主役の女にイライラさせられるよな。松嶋某の話じゃないよ(笑)「ルナ・パパ」の話。

 よせばいいのに無駄な抵抗をした所長さんが撃ち殺されるのは、「ダイ・ハード」で日本人の社長がいきなりぶっ殺されるのと同じ。部屋のガラス窓に脳味噌と血がべっとり付くとこまでパクってます。テロリスト集団はいきなり制御室のコンピュータを掌握してしまうんだね。

 じゃあ打つ手なしか? いんや、違う。同僚とたまたま屋外に出ていて賊と遭遇。同僚は撃ち殺されたものの、一人逃れて助かったこの男がいた。

 いつも一人で助かる男、白い歯がまぶしいあの富樫ちゃんだ。

 しかし、テロリスト集団はまだこんな男一人どうってことないとタカをくくる。で、地元の警察に連絡して、ダムを占拠したことを告げる。24時間以内に50億円用意しないとダム爆破して、下流の街を水びたしにするぞと脅すんだね。警察署の前で雪かきに精を出してた署長(中村嘉葎雄)は、この通信聞いてビビる。

 さて、そのころ富樫ちゃんはスキーロッジに逃げたりいろいろするけど、そこに追っ手がやってきてバリバリ撃ちまくるので生きた心地がしない。どこの電話も不通。こうなると元々マメで小さな工夫が大好きな富樫は、あの手この手で切り抜けようとするんだね。そのつど、テロリスト一味をちょびっとづつ殺してく(笑)。結構本領発揮で楽しそうじゃない(笑)。

 ダムの制御室では、テロリストの監視下のもと、ダム職員とトンネルで捕まった千晶が人質になっていた。ところがこの女、モニターテレビに富樫が必死に逃げてるのが写ると、でかい声で「あっ」とか言うんだよね。この時はたまたまテロリストに感づかれなかったからよかったものの、イヤな女だね。あげく「やっぱり逃げてる。この腰抜け!」とかブツブツ。君ってかわいいふりして意外と性格悪いんだね。みんなすっかりダマされたよ(笑)。

 でも、トンネルまで来たら爆破されて塞がってた。富樫は例の千晶を乗せてた車を発見。平田満が撃たれて倒れてるのを見て、誰がどう見ても死んでることはミエミエなのに、「××さん、しっかりしてください!」と何回も胸元をつかんで揺さぶる日本映画お約束の演出をたっぷりと見せて堪能させてくれる(笑)。で、ここで富樫は見つけるんだよ、冷血女千晶の捨ててった吉岡ジャンパーを(笑)。もう逃げられないと悟って、吉岡ジャンパーに腕を通して誓いも新た。スタローンなら「ぬををををを〜〜〜〜〜っ」と雄叫びを上げるであろうシーンですが、我らが織田裕二は歯を光らせただけで、黙ってダムに戻るのだった。

 

ケーサツ幹部が無能なのはお約束

 その頃、警察関係では大モメ。指揮権を巡ってまずは県警のキャリア組がシャシャリ出てきて、次に警察庁や警視庁まで出てくる。だけど、偉い奴が出れば出るほどダメなのが日本の警察で、この映画はそこんとこはちゃんと描いているね。もうキャリア組とかいうと接待漬けでマージャンや酒や女や金にボケまくりなうえ、威張ることだけ人一倍だから。腐りきった役人たちの中でも群を抜いて腐ってる警察の、その上に行けば行くほどバカでクソという様子がよく出てます。しかも、最後には政府の対策本部が仕切るってことは、その本部長って当然、森首相だろ? それじゃあ、その中でも群を抜いていちばんバカじゃない(笑)。どうやって犯人が要求してる金を渡さないで済ませるか、どうやって犯人捕まえて手柄立てるかばっかりでご機嫌の県警のアホキャリア連中相手に、中村嘉葎雄署長は憮然と言い放つのであった。

 「あんたがた、何か肝心のこと忘れちゃあいないかい?」

 犯人たちは日本最大級のダムを抑えているんだ。一つ間違えば、下流の街が全部水浸しになるかもしれないんだぞ! 署長の中村カッちゃんは怒り心頭、思わず持っている紙コップのコーヒーを、机に広げられた地図の上にぶちまける。こぼれたコーヒーは勢いあまって県警本部のお偉いさんのズボンの股間にビシャ〜ッ。アチチチッ、気をつけろっ! 今夜、接待風俗に行けなくなるじゃないかっ! お偉いさんの頭ん中は地元フーゾク嬢のお肉体のことでいっぱい。その点ではIOCのサマランチ会長の考えてることと大して変わらない。IOCではどっかのフーゾク店に「タマランチ」(笑)って店があるのをご存じだろうか? 確か五輪マーク無断で使ってたと思うぜ(笑)。

 そんな頃、富樫くんはあったかフーゾクどころかクソ寒い雪の中を、ダムまで戻ってる最中。犯人グループは脅しじゃないところを見せるため放水を開始したんだね。これを阻止するために、またまた大立ち回りの富樫くん。ついに奪った銃まで使って「ダイ・ハード」状態だ。放水は止められ仲間は殺され、どうもこれは侮れないと犯人たちも思い出したその時、しめしめうまくいったとご機嫌の富樫はご自慢の白い歯をむき出して、よせばいいのに調子に乗って内線電話で犯人たちにタンカを切った。

 「このダムはおまえらの好きにさせない!」

 それはいいんだけど、これに怒った犯人が職員を射殺。今後何かやったらそのたび人質を殺すと脅されると、これといった考えもなしに調子に乗ってた富樫はたちまちショボくれて内線電話をブッ壊した。「ほら、やっぱり腰抜けよね」とまたまたイヤミたれ放題の千晶嬢。トホホ。あんた、それしか言うことないんかい。

 富樫は放水管を通って最寄りのダムへ行くことを選択した。犯人たちはそれを見越して放水を開始。富樫はものすごい量の水に押し流される。しかし、ちゃんと酸素ボンベやら焚き火用の油やら何やら用意万端整えてはいた。でも、冬山でビショ濡れはざぶい〜〜〜〜。

 最寄りのダムにたどり着き、警察に連絡する富樫。一息ついて食料や飲み物補給して、しばしの疲れを癒しつつ現状を報告する富樫に、さすが苦労人の中村カッちゃん、県警の無能幹部をドツキ倒して電話の受話器をかっさらうと、富樫にいたわりの言葉をかけるんだね。県警幹部は富樫のことバカとか言ってるけど。

 でも、富樫はダムに戻らなければいけないと思い詰めてるんだね。ダムには人質になった同僚たちがいるし、この前は助けることができなかった吉岡の、その婚約者の千晶が捕らえられている。富樫は何としても彼女を助けなきゃと思ってるわけ。吉岡からは千晶からのプレゼントだった磁石も託されているんだ。これを彼女に渡さなければ。富樫は松嶋菜々子演じる彼女が、ずっと自分へのイヤミばかり並べてるヤな女だとは夢にも思ってないからねぇ。

 そういや、犯人グループもこの松嶋菜々子を犯そうとする奴とそれを止めようとする奴で小競り合いになって、なんだかギクシャクしてきたぞ。本当に松嶋菜々子は疫病神(笑)。いっそ濡れ場でもあれば見せ場になるが、脱ぎもしないんじゃ話にならない。

 警察側では訳分かってもいないくせに県警&警察庁&政府が勝手に話を進めてる。そこでただ一人、署長の中村カッちゃんはワラ半紙みたいのに、「50億円」とか「中継車」とか「パラボラアンテナ」とか書いて考えてるんだけど、あれ書いて何か効果あるのかはなはだ不明(笑)。ところで、さっきコーヒーこぼした地図は誰が取り替えたんだろうか。カッちゃんの部下が黙ってやったんだろうな、その場の雰囲気悪くなったのを見るに見かねて(笑)。

 それはともかく、富樫はもう犯人グループならびにリーダー宇津木の横暴にマジギレしちゃってるんだよね。だから、徹底的にオトシマエつけるっかないとやってきた。宇津木てめえふざけやがって、三國連太郎のセガレのくせに、三國も三國で昔は悪役多くやってたのに「釣りバカ」から急に善人役ぶりやがって、おまけに「美味しんぼ」で親子共演だと〜ナメんなよ、てめえブチ殺してやるぅぅぅ!

 富樫ちゃん=織田裕二は完全にトサカに来ちゃったのであった。

 

ツッコミたくなる点は多いものの…

 この映画、とにかく何か危機的状況をつくりだす上で、ダムという極めて日本的な巨大構造物をもってきたところが勝因…って、そりゃ原作のいいところか。

 ドラマとしていろいろ言い出すと、まず途中で回想シーンを挟むのをやめて欲しいんだよね。回想シーンって日本映画の十八番なんだけど、ドラマの流れをすごく悪くする。「ダイ・ハード」に、「リーサル・ウェポン」シリーズに、回想シーンがあるか? よしんばあったとして、それはまるまる一つのシーンとして存在するか、はたまた単にカットとして挿入されているだけか? アメリカ的娯楽映画を指向した非アメリカ映画ということで引き合いに出せば、あの「シュリ」ですら回想シーンはほとんど入れていなかったと記憶しているけど。

 よく日本映画ではアメリカン・スタイルの大作娯楽映画なんかどうせ出来ないんだから、つくろうとしてはいけないということを言われる。僕は、そういう大作娯楽映画のアプローチがあってもいいとは思うが、もしやるのなら今までのアメリカ娯楽映画を研究して、その構成を紙にでも書いて検証してみてからつくったほうがいいと思うよね。

 そういう意味では、ラストに助け出された主役二人のクサい芝居が展開する飛行中のヘリ機内でのシーンなんかも、ほとんど必要ないと思うしね。ああいう無駄な思い入れシーンはなくしたほうがいいよ。

 そうそう…些細なことを言えば、織田裕二扮する富樫が、いつの間にか松嶋菜々子扮する千晶に対して自分の女みたいな態度で接するのもオカシイね。「戻ってくるから待ってろよ」って…オマエ、普通は「待っていてください」だろう(笑)? 俺だって女にそんな口のきき方するまでにしばらく時間がかかるよ(笑)。

 それと、残念なのは今回タイトルにもなっている「ホワイトアウト」の描写について。イントロと終盤の合計2回出てくるこのホワイトアウトの描写が、ピンと来ないんだよね。寒いのか痛いのか見えないのか。織田裕二は一生懸命にうわ〜とか言ってもがいてるけど、具体的にあれってどういうことか分からない。まるで、ただ霧か何かが出ただけとも思えるんだよ。肝心なポイントだけにもうちょっとキチンと描写できなかったのかという不満は残る。

 そんなこんなも含め、この映画は演出と脚本うんぬんについてはいろいろ意見あるけど、元々の原作がカッチリつくられてるから面白いのでは?…と思っちゃう。原作読んでいない人間としては何も言えないとこあるけどね。

 ただこれが重要なとこなんだけど、従来の日本の娯楽映画の水準を考えた場合、今回の作品が一応見て恥ずかしくはないレベルに達していたという点は、評価に値するんじゃないかと思うんだよね。チャチじゃない、ガキっぽく寒くない。これは重要なことだよ。その意味で、脚本&演出以下の映画スタッフはよくやったんじゃないか。だから、いろいろツッコミたくはなるけど、見ている間はシラケず興味をつないでいけるんだよね。

 正直言って主役の2人は僕にとって苦手な役者だったので、こりゃどうかと懸念していた。それでこれだけ見せるんだから、映画としてよく出来てるんじゃないかな。

 織田裕二はちょっとやたらサワヤカに演じるのはどうかと思うが、とにかくカラダ使ってやってるのは評価してもいいかな。演技しようなんて思ってないのは感心。

 だけどねぇ、松嶋菜々子はどうも感じ悪い女なんだよね。ヒロインのイメージだいぶ悪くなってるんじゃない? 脚本のせいもあるかもしれないが、これ松嶋菜々子が演ってなけりゃどうだったかなとふと考えてしまう。少なくても、あのエレベーターで銃構えてるカッコのサマにならなさは何とかして欲しかった。それに初めて銃を撃ったのに、発射の反動を全く受けてないあたりの演技の下手さも見てられない。

 それより、いい感じだったのは佐藤浩市のテロリストのリーダー。マンガの悪役みたいな典型的悪役を、すっごく楽しそうに演じてて、彼を見てるだけでうれしかった。もっとガンガン出てきて活躍すればよかったのに、とても残念。車イスの悪役ってのが異彩を放ってかっこよかったね。

 そして、何よりいい味だったのが中村嘉葎雄。この人が全体的にライトな…と言ったら聞こえはいいが、うすっぺらな印象のあるキャストの中で、オイシイ場面をさらってしまうんだよね。劇中、この人コーヒーこぼした以外は大したことやってないんだが、すごく存在感あるのが不思議(笑)。全編「ダイ・ハード」やってる中で、この人だけ妙に和風なんだよね。この人がいなかったら、この映画も軽〜いイメージだったでしょう。

 とにかく、何だかんだと言いたくはあるが、こうした本格冒険アクションが日本でもつくられたことは評価に値する。それが、とにもかくにも見て恥ずかしくないレベルまでいってたことは、喜ぶべきことではないかな。

 ホワイトアウト=頭ん中真っ白で見ることのできる、日本映画に珍しい娯楽映画。見る側の目も、偏見や贔屓の引き倒しから真っ白な状態にして見に行くことをおススメいたします(笑)。

 

 

 

 

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