年末総力特集

Silent Night, Horror Night....

featuring "THE BLAIR WITCH PROJECT"

In October of 1994, three student film makers disappeared in the

woods near Burkittsville, Maryland while shooting a documentary

A year later, their footage was found......

Everything you've seen is true.

 

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と

映画の新・千年紀<ミレニアム>

(1999/12/19)


 今年の夏、全米に異色のメガ・ヒット作が登場しました。その「異色」ぶりの一端を紹介すれば、徹底的な低予算、宣伝におけるインターネットの積極的な活用、さらに一貫したメディア・ミックス展開、そして映画そのもののフェイク・ドキュメンタリー的構成…など。そのどれをとって見ても、単なる低予算ホラーという概念を超えた、新しい時代の映画づくりの予感を感じさせる作品。それが「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」です。「DAY FOR NIGHT」では、この作品のそんな“新しさ”に注目して、他の映画マスコミとは違った視点から探ってみました。


CONTENTS

 

OVERVIEW 作品の概要

くりす Kurisu

ヴィンセント・デイビッド

Vincent David

 

WORLD REPORTS 世界ホラー映画紀行

U.S.A. くりす Kurisu

KOREA 夫馬 信一 Shinichi Fuma

SWEDEN Peco

TAIWAN いの Ino

THAILAND 原田いそよ Isoyo Harada

U.K. さなだ Sanada

JAPAN ゆりゆり Yuriyuri

 

MEDIA MIX メディアミックス

PAPERBACK 荒川 晃江 Akie Arakawa

INTERNET 三浦 正人 Masato Miura

TV あむじん Amujin

 

OTHER POINTS OF VIEW 新たな視点

かのこ Kanoko

夫馬 信一 Shinichi Fuma

 

F'S REVIEW

夫馬 信一 Shinichi Fuma

 

 

(C)1999 Kurisu, David Astramskas, Peco, Ino,

Isoyo Harada, Sanada, Yuriyuri, Akie Arakawa,

Masato Miura, Amujin, Kanoko,

and FUMA'S WORKSHOP

 


OVERVIEW 作品の概要

この夏、全米を震撼させたこの作品は、一体どこが新しかったのか? アメリカ通、ニューヨーク通で新作情報に強いくりすさんにレポートしてもらいました。また、アメリカ・フロリダ州在住のヴィンセント・デイビッド氏にも、この現象を探っていただきました。


 

 存在自体が特殊な映画

 "BLAIR WITCH" as an Extraordinary Film

 くりす

 by Kurisu

 

 この作品は、映画学校の学生だった監督(ダニエル・マイリック&エドゥアルド・サンチェス)が、まず思い付いた企画から始まったそうです。但し、教授には笑われたらしい。でも、この企画に自信のあった2人は友人と共に映画製作会社「ハクサン・フィルム」を設立し、(ハクサンって魔女のことね)まずHP上で「ブレア・ウィッチ」伝説の世界を構築していくんです。

 そうやってみんなの関心を集めて、映画は今年の1月にサンダンス映画祭で公開、この映画の配給権を100万ドルで買い取ったアルティザンは相当バカにされたようだけど…。さらにこの映画はカンヌでも上映され、再び大騒ぎになったらしい。

 プレミア公開時には、わざと小さい会場を選び、観客に“並ばなければ入れない”という印象を与え、さらにみんなの観たい!という気持ちをあおっていたような気がします。

 そして7/16、全米でもたった28(27 ?)館ほどでの限定公開、ここでもみんなをじらしておいて、2週間後の7/30に拡大公開され、あんな社会現象になったんです。制作費は約2〜3万ドル、最終的な興行収入は(アメリカだけで)1億4500万ドル、驚異的な成績を記録しました。

 なお、現在でもHPのアップデートは行われているらしく、さらにHPに掲載する材料のために、俳優を使って撮影し直したシーンもあるそうです。撮影に際しいろいろ逸話もありますが、ここでは省略しときます。

 ところで「ブレア・ウィッチ」とは何か、ということですが、これはメリーランド州のパーキッツヴィル、という町が舞台ですが、ここはかつてブレア地区と呼ばれていて、1700年代から子供が失踪したり、内臓を抜かれた子供の死体が発見されたり…っていう不気味な出来事が続いていた場所。そして1809年11月「ブレア・ウィッチ・カルト」というある魔女に呪われた町が舞台の本が出版される。1940年代にも子供の連続行方不明&殺人事件が起こり、ここで逮捕された犯人も、ある女の幽霊のためにそれをやったと供述している。その後、この犯人は死刑になる、などなど。

 かなり省略したけど、これらの出来事を踏まえて、舞台は、この伝説を究明したドキュメンタリーを作ろうっていう映画学科の学生3人組が登場する1994年10月に移ります。んで、その3人が行方不明になり、1年後突然発見されたフィルム&DATテープを編集したものが、この映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」っていうわけです。

 映画の中で描かれているのは、これだけ(1994年10月のこと)ですが、その後の捜査の経緯、警察の公式発表や遺留品の内容などは、すべてHPの中だけで進行しています。

 1つ言えるのは、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」はその存在自体が特殊な映画と言える、と思います。映画だけ観ると、真実と虚構の区別がつかないし、ドキュメンタリーと言われれば思わず信じそうになる。でもドキュメンタリーじゃない。こんな曖昧なポジションの映画(もはや映画でもないかもしれない)はある意味新鮮かもしれません。

 

 

くりす: ニューヨーク通で、新作映画情報にめっぽう強いくりすさんには、本企画の最初の段階から参加していただきました。ありがとうございます。

 

くりすのページ KURISU'S PAGES

http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/9835/

 

 


 

 映画史上最大のマーケティングの勝利

 One of the Best Markething Ideas of All-Time

 ヴィンセント・デイビッド

 by Vincent David

 (English Versionを読みたい方はここをクリック)

 

 

 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は映画史上でも最もマーケティングに成功した映画のひとつでしょう。この映画は、5人の中央フロリダの大学生によって、わずか5万ドルでつくられたと噂されています。カンヌ映画祭で上映され、無名の作品にも関わらず配給会社アルティザンは100万ドルでこれを取得。大半の映画会社は、「この映画の恐ろしいところはたったひとつ、アルティザンがこれに払った金額だ」と冷ややかに受け止めていました。

 アルティザンがこの作品のマーケティングに使った金額は500万ドル以上。彼らはある物語を仕立て上げて、これを広めました。いわく、3人の映画学校生徒が魔女を捜して森に入り込み行方不明になった、この映画は事件の2年後発見された映像から再構成されたものである、と。アルティザンは「ブレア・ウィッチの呪い」という「ドキュメンタリー」番組を製作してSFチャンネルで放送し、この物語は真実であると世界中を納得させてしまいました。番組には映画からの断片のほか、この町の住人たち、映画学校生たちの友人や家族への偽インタビューを収録。また、ブレアの魔女について、この魔女が何千年もの間、森の中で子供をさらい、人を殺してきた物語も仕立て上げました。さらにアルティザンはホームページを開設し、消息不明になる前に映画学校生の一人が書き留めていた日記を含む、より多くの情報を提供しました。

 数ヶ月後、真相が明かされ、物語全体が仕立て上げられたもので、ブレアの魔女は存在していないということが明るみに出ました。映画は大成功を納めましたが、舞台となった町の人々は怒っていました。町の墓場が掘り返されたり、道路標識が盗まれたりしたからです。

 この映画はビデオカメラで撮影されており、映像はブルブルと手ブレがひどくて、映画館では多くの人が具合悪くなりました。家族の誰かが家のカメラで撮ったビデオ映像を、30フィートの劇場スクリーンに映写したことを考えてみてください。俳優たちはほとんどのシーンを即興で演じ、他の役者のセリフを知っていた者は誰もいませんでした。彼らは実際にごく限られた食料を持たされ、森の中に半ば迷子の状態で1週間過ごしたのです。

 私の知る限り、この映画ほど多くのパロディを生んだ映画もありません。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」をマネしたりパクったおびただしい数のコマーシャルもさることながら、短編映画にさえこの映画を模倣した作品が存在するのです。

 

 

 

 One of the Best Markething Ideas of All-Time

 by Vincent David

 

The Blair Witch Project is one of the best marketing ideas of all-time. The movie was made by 5 University of Central Florida students at a rumored $50,000. It was shown at the Cannes film festival and wasn't that popular but Artisan bought it for a million dollars. A lot of the studios thought "the only scary thing about the movie was how much Artisan paid for it."

Artisan than spent about 5 million dollars on marketing it. They made up a story and said the movie was a recreation of footage found two years after three film students went into the woods to look for a witch and disappeared. They had the entire world convinced the story was real when Artisan created a "documentary" for the Sci-Fi channel called "The curse of the Blair Witch". The show showed clips from the movie and fake interviews with people who live in that town and friends and family members of the filmstudents. It also created a story about the Blairwitch and how for thousands of years she has been stealing children and killing people in the woods. Artisan than made a website that had more information about the filmstudents including a journal that one of them was writing before she disappeared.

Months later, the truth came out that the entire story was made up and the Blairwitch didn't exist. The movie was a huge success and the town the movie takes place in is angry because some people have been digging up graves there and stealing road signs.

The movie was made with video cameras and a lot of people have been getting sick in movie theaters because the movie is so "blurry and unsteady". Try imagining watching one of your family videos shot on a home camera on a 30 foot theater screen. The actors improvised most of the scenes and none of the actors knew what the other one was going to say. They also actually spent a week in the wood semi-lost with limited food.

The movie has also had more parodies than any movie I have ever seen. There are numerous commercials that mock or imitate scenes from that movie and there are even some short films that mock the Blair Witch Project.

 

 

Vincent David 米国フロリダ州在住のデイヴィッド氏は、10月はじめの時点ですでにホットな原稿を送ってくださっていました。

 

FILM UTOPIA

http://www.angelfire.com/la/filmutopia/

 

 


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